オーストラリア抗原の不活化消毒剤の研究 イルガサンDP-300の安全性とオーストラリア抗原不活化消毒に対する実際について

前二報によりイルガサンDP-300(2, 4, 4-Tri-chloro-2-hydroxydiphenylether, 加商株式会社化成品部, 東京都中央区日本橋室町)がオーストラリア抗原(以下Au-agと略)を極めて迅速に不消化し, Au-agの有用な不活化消毒剤である可能性が示された. そこで, この報告においてはイルガサンDP-300の安全性について主として報告して, 実際使用のあり方について考察を加えた. (1)イルガサンDP-300の急性毒性 マウスおよびラットを用いていろいろのルートでDP-300を投与し, その急性毒性(LD_50 )を調べた. その結果, つぎの如き極めて低毒...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 21; no. 4/6; pp. 113 - 115
Main Authors 豊島滋, 瀬戸淑子, 稲垣真里子, 藤岡晴久, 伊藤碩候, 関根暉彬, 松橋直, 都築正和, 大河内一雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.07.1975
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ISSN0546-1448

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Summary:前二報によりイルガサンDP-300(2, 4, 4-Tri-chloro-2-hydroxydiphenylether, 加商株式会社化成品部, 東京都中央区日本橋室町)がオーストラリア抗原(以下Au-agと略)を極めて迅速に不消化し, Au-agの有用な不活化消毒剤である可能性が示された. そこで, この報告においてはイルガサンDP-300の安全性について主として報告して, 実際使用のあり方について考察を加えた. (1)イルガサンDP-300の急性毒性 マウスおよびラットを用いていろいろのルートでDP-300を投与し, その急性毒性(LD_50 )を調べた. その結果, つぎの如き極めて低毒性であることが明かにされた. すなわち, マウスにおいて経口投与法の場合, そのLD_50 は雄では5.1g/kg, 雌で4.7g/kg, 皮下投与LD_50 は雄で4.1g/kg, 雌では3.8g/kg, 腹腔内投与ではそのLD_50 は, 雄で96mg/kg, 雌で84mg/kg, ラットでは経口投与LD_50 が雄で4.7g/kgであり, 雌でも4.7g/kgであり, 皮下投与LD_50 は雄で3.95g/kg, 雌で3.90g/kgであり, 腹腔内投与ではそのLD_50 は雄で89mg/kg, 雌で90mg/kgである.
ISSN:0546-1448