リウマチ性環軸関節前方脱臼例における後方固定 -テクミロンの有用性

はじめに 超高分子ポリエチレンであるテクミロンは骨折や脊椎手術に応用されてきているが,最近では糸だけでなくテープ状のものも利用できるようになっている.今回,環軸椎後方固定に利用したテクミロンを基にその有用性を検討した. 対象および方法 当科でテクミロンを用い環軸椎後方固定術を行ったリウマチ性環軸関節前方亜脱臼の8例(再手術例1例)を対象とした.使用したテクミロンは糸7例,テープ1例であった.年令は平均61歳(49-74歳),性別は,男性2例,女性5例.固定術式はMagerl法とMcGraw法(もしくはGallie変法)の併用4例,Magerl法とBrooks法の併用2例,McGraw法単独1例...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 51; no. 2; pp. 307 - 311
Main Authors 貴船雅夫, 三村 寛, 酒井和裕, 小笠博義, 宮本 力, 今城靖明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2002
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ISSN0037-1033

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Summary:はじめに 超高分子ポリエチレンであるテクミロンは骨折や脊椎手術に応用されてきているが,最近では糸だけでなくテープ状のものも利用できるようになっている.今回,環軸椎後方固定に利用したテクミロンを基にその有用性を検討した. 対象および方法 当科でテクミロンを用い環軸椎後方固定術を行ったリウマチ性環軸関節前方亜脱臼の8例(再手術例1例)を対象とした.使用したテクミロンは糸7例,テープ1例であった.年令は平均61歳(49-74歳),性別は,男性2例,女性5例.固定術式はMagerl法とMcGraw法(もしくはGallie変法)の併用4例,Magerl法とBrooks法の併用2例,McGraw法単独1例,Brooks法単独1例であった.症例数が限られており,テクミロンテープ使用も1例のみのため,症例を呈示し問題点を明らかにする. 結果 8例の後方固定のうち7例で骨癒合は得られた.骨癒合の得られなかった1例は第1例目のMcGraw法単独例であった.手術時の固定性は手による締結を行ってきた糸よりも,タイティングガンが利用できる現在のテープの方が強固であった. 症例 症例1 62歳女性(S.T.),主訴:四肢のしびれ,筋力低下,頸部痛.リウマチ性環軸関節亜脱臼の診断(図1-a)にてテクミロン糸6号によるMcGraw法を施行した(図1-b).
ISSN:0037-1033