5-Aminolevulinic Acid (5-ALA)を投与した腫瘍内代謝物Protoporphyrin-IX (Pp-IX)の蛍光分析の応用

〔背景〕:近年, 5-ALAを用いた癌の診断・治療の応用例が報告されている. 腫瘍内で5-ALAより代謝・生成されたPp-IXの集積性を明らかにすることは, 癌の診断・治療に直接関与する重要課題である. 従来のPp-IX集積性の定量法の多くは, 腫瘍組織からのPp-IXの抽出操作による高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に連動した蛍光分析であった. しかし, その抽出過程におけるPp-IXの安定性は明らかではなく, 抽出操作時のPp-IXの損失や腫瘍境界外からのサンプリングの危険性等の問題が残る. 今回, 5-ALA投与後の腫瘍組織内Pp-IX集積量を組織学的に分光光度計を用い, 定量計測し...

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 22; no. 4; p. 292
Main Authors 三好憲雄, 小笠原利行, 山田哲史, 小川透, 佐野和生, 金子貞男, 福田優
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本レーザー医学会 28.12.2001
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Summary:〔背景〕:近年, 5-ALAを用いた癌の診断・治療の応用例が報告されている. 腫瘍内で5-ALAより代謝・生成されたPp-IXの集積性を明らかにすることは, 癌の診断・治療に直接関与する重要課題である. 従来のPp-IX集積性の定量法の多くは, 腫瘍組織からのPp-IXの抽出操作による高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に連動した蛍光分析であった. しかし, その抽出過程におけるPp-IXの安定性は明らかではなく, 抽出操作時のPp-IXの損失や腫瘍境界外からのサンプリングの危険性等の問題が残る. 今回, 5-ALA投与後の腫瘍組織内Pp-IX集積量を組織学的に分光光度計を用い, 定量計測したので報告する. 〔方法〕:腫瘍組織内の連続凍結切片よりHE染色像と蛍光顕微鏡像を対比観察, 腫瘍実質とPp-IX蛍光発光分布を確認し, 次に腫瘍実質内凍結切片(10 μm)の5枚重ね合わせのサンプル(5×10 μm)における蛍光強度と標準Pp-IXの検量線(既知濃度Pp-IXと蛍光強度)との対比により, 腫瘍組織内Pp-IX集積量を算出した.
ISSN:0288-6200