免疫現象におけるDNAトポロジーに関する研究

DNAトポイソメラーゼI(トポI)は, DNAの高次構造を変換する酵素である. カンプトテシンはこの酵素の阻害剤で抗腫瘍性が有り, 又リンパ球のDNA合成を阻害する. 今回この薬剤の誘導体であるCPT-11の免疫抑制効果を見る目的で, ヒトリンパ球に及ぼす影響を検討した. 末血より分離したリンパ球をPHAで刺激すると同時にCPT-11を作用させ, 3日間培養した. CPT-11の効果を培養終了6時間前に加えた^^3 H,TαRの取り込みにより測定したところ, 2μg/mlの濃度でそれが抑制されることがわかった. 他のトポI阻害物質についても検討する必要があると思われる....

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 35; no. 1; p. 115
Main Authors 松近尚子, 金田みゆき, 鈴木久美, 谷広ミサエ, 岡田浩佑, 梶山梧朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.04.1989
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Summary:DNAトポイソメラーゼI(トポI)は, DNAの高次構造を変換する酵素である. カンプトテシンはこの酵素の阻害剤で抗腫瘍性が有り, 又リンパ球のDNA合成を阻害する. 今回この薬剤の誘導体であるCPT-11の免疫抑制効果を見る目的で, ヒトリンパ球に及ぼす影響を検討した. 末血より分離したリンパ球をPHAで刺激すると同時にCPT-11を作用させ, 3日間培養した. CPT-11の効果を培養終了6時間前に加えた^^3 H,TαRの取り込みにより測定したところ, 2μg/mlの濃度でそれが抑制されることがわかった. 他のトポI阻害物質についても検討する必要があると思われる.
ISSN:0546-1448