喉頭結核の2症例 二次感染を予防するための考察

「はじめに」結核, インフルエンザ, ノロウイルスなどによる二次感染を予防することは診断や治療とともに重要なことである. 特に院内で二次感染が発生すればそれに費やす人的, 経済的負担は少なくない. 結核は感染症法にて第二種に分類されており二次感染予防の重要性から速やかな報告が義務づけられているが, その診断に至るまでに時間を要することも少なくない. 今回我々は排菌が確認された喉頭結核の症例を2例経験したのでこれらを報告するとともに本邦の喉頭結核症例の報告をまとめ耳鼻咽喉科として結核の二次感染予防対策を考察した. 「症例 1」「患者」: 75歳男性 職歴 炭鉱夫「主訴」: 嗄声, 呼吸困難「既往...

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Published in喉頭 Vol. 26; no. 1; pp. 47 - 51
Main Author 山下安彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本喉頭科学会 01.06.2014
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Summary:「はじめに」結核, インフルエンザ, ノロウイルスなどによる二次感染を予防することは診断や治療とともに重要なことである. 特に院内で二次感染が発生すればそれに費やす人的, 経済的負担は少なくない. 結核は感染症法にて第二種に分類されており二次感染予防の重要性から速やかな報告が義務づけられているが, その診断に至るまでに時間を要することも少なくない. 今回我々は排菌が確認された喉頭結核の症例を2例経験したのでこれらを報告するとともに本邦の喉頭結核症例の報告をまとめ耳鼻咽喉科として結核の二次感染予防対策を考察した. 「症例 1」「患者」: 75歳男性 職歴 炭鉱夫「主訴」: 嗄声, 呼吸困難「既往歴」: 約1年前より嗄声あり, 近医耳鼻咽喉科でファイバースコピー下に生検が行われたが肉芽病変を確認されたのみで診断にいたらず. また同時期に胸部レントゲン異常のため近医内科で精査中とのことであったが詳細は不明.
ISSN:0915-6127