外傷性左主気管支断裂の1例

胸部鈍的外傷に伴う気管, 気管支損傷は, 受傷直後は症状が軽微であっても, 極めて重篤な状態に陥ることがある. 今回我々は, 外傷性左主気管支断裂の1手術例を経験したので報告する. 症例は16歳, 男性. オートバイを運転中に車と衝突し受傷した. 近医に緊急入院したが, 気管支ファイバーにて左主気管支の断裂と診断され, 受傷14時間後に緊急開胸術を施行した. 手術所見では, 左主気管支は完全断裂し, peribronchial sheathのみで連続性が保たれていたが, その裂け目からmajor leakageが認められた. 手術は断裂した左主気管支の端々吻合を行った. 術後は吻合部に軽度の肉...

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Published in気管支学 Vol. 18; no. 6; p. 622
Main Authors 近藤一男, 加藤真司, 伊達和彦, 別府和重, 吉原正, 成宮千浩, 永田昌久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.09.1996
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ISSN0287-2137

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Summary:胸部鈍的外傷に伴う気管, 気管支損傷は, 受傷直後は症状が軽微であっても, 極めて重篤な状態に陥ることがある. 今回我々は, 外傷性左主気管支断裂の1手術例を経験したので報告する. 症例は16歳, 男性. オートバイを運転中に車と衝突し受傷した. 近医に緊急入院したが, 気管支ファイバーにて左主気管支の断裂と診断され, 受傷14時間後に緊急開胸術を施行した. 手術所見では, 左主気管支は完全断裂し, peribronchial sheathのみで連続性が保たれていたが, その裂け目からmajor leakageが認められた. 手術は断裂した左主気管支の端々吻合を行った. 術後は吻合部に軽度の肉芽形成が一過性にみられたが軽快退院した.
ISSN:0287-2137