open型先天性真珠腫の3例

[はじめに] 先天性真珠腫には, 上皮が嚢胞状のclosed型, 膜状のopen型があるとされ(文献Michaels1)), そのうち, closed型が大半を占め, open型は比較的まれとされている(文献2)~4)). また, open型真珠種はその発生機序についてもさまざまな説(文献Aimi5), Michaels6))があり, そのほとんどが難聴を主訴とし, 伝音難聴で手術を行った際に発見され, 耳小骨奇形の合併が多いという特徴があるが, 未だ一定の見解はない. 我々は, このようなopen型真珠腫と考えられた3症例を経験したので, その臨床所見と特質について述べる. [症例] 症例1...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inOtology Japan Vol. 17; no. 5; pp. 658 - 664
Main Authors 齋藤和也, 磯野道夫, 木村忠司, 唐澤千明, 村田清高
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本耳科学会 25.12.2007
Online AccessGet full text
ISSN0917-2025

Cover

More Information
Summary:[はじめに] 先天性真珠腫には, 上皮が嚢胞状のclosed型, 膜状のopen型があるとされ(文献Michaels1)), そのうち, closed型が大半を占め, open型は比較的まれとされている(文献2)~4)). また, open型真珠種はその発生機序についてもさまざまな説(文献Aimi5), Michaels6))があり, そのほとんどが難聴を主訴とし, 伝音難聴で手術を行った際に発見され, 耳小骨奇形の合併が多いという特徴があるが, 未だ一定の見解はない. 我々は, このようなopen型真珠腫と考えられた3症例を経験したので, その臨床所見と特質について述べる. [症例] 症例1 7才(初診時)女児. 平成7年5月の検診にて難聴を指摘され, 近医で滲出性中耳炎として, 耳管通気治療をされていた. しかし, 左伝音難聴が改善せず, 精査目的で当科へ紹介された. 鼓膜所見で滲出液を認めるが, 白色塊は透見できなかった.
ISSN:0917-2025