CAD / CAMによるクラウン製作システムの開発に関する研究

「緒言」歯冠補綴物の製作法は, 1869年に発表されたMorrison Crownを代表とする板金加工の時代を経て, 1907年にW.H.Taggartにより鋳造技術が導入されて以来, ロストワックス鋳造法に移行することとなった. 歯科鋳造法は, 金属の鋳造収縮を補償する方法として金属材料, 埋没材, 鋳造機などに多くの改良が加えられ, より精密な鋳造体を得る理論や術式が検討され現在に至っている. しかし, ロストワックス法では, その製作過程におけるワックスの膨張, 金属の凝固収縮などの因子による寸法精度への影響に関する諸問題が依然として未解決である. また, 補綴物に付与される形態は, 術...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in神奈川歯学 Vol. 27; no. 4; pp. 431 - 446
Main Authors 深瀬敦, 青木英夫, 浮谷實
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 神奈川歯科大学学会 30.03.1993
Online AccessGet full text
ISSN0454-8302

Cover

More Information
Summary:「緒言」歯冠補綴物の製作法は, 1869年に発表されたMorrison Crownを代表とする板金加工の時代を経て, 1907年にW.H.Taggartにより鋳造技術が導入されて以来, ロストワックス鋳造法に移行することとなった. 歯科鋳造法は, 金属の鋳造収縮を補償する方法として金属材料, 埋没材, 鋳造機などに多くの改良が加えられ, より精密な鋳造体を得る理論や術式が検討され現在に至っている. しかし, ロストワックス法では, その製作過程におけるワックスの膨張, 金属の凝固収縮などの因子による寸法精度への影響に関する諸問題が依然として未解決である. また, 補綴物に付与される形態は, 術者の経験, 感覚に負うところが大きく, 熟練度などの個人差が完成補綴物へ影響を与えている. 一方, コンピュータ支援のもとに設計から加工までを行うCAD / CAM(Computer Aided Design / Computer Aided Manufacturing)の手法は, 一般工業界において多品種少量生産を目的として, プラスチック製品の金型加工の分野で発展してきた.
ISSN:0454-8302