肺扁平上皮癌の浸潤による気管支壁の欠損を気管支鏡下に観察しえた1例
症例:69歳, 男性, 農業従事者. 喫煙指数1200. 主訴:血痰と咳嗽. 現病歴:平成7年1月頃から湿性咳嗽出現, 持続. 同年9月頃から血痰, 腰痛出現し某院受診, 胸部X線上右肺門部に腫瘤影指摘された. 気管支鏡下生検にて低分化扁平上皮癌と診断され, 精査により肋骨, 腰椎転移あり, T_4 N_2 M_1 , Stage IVと診断されその後当科紹介. 10月31日から放射線治療開始. 治療中(リニアック36Gy照射時), 気管支鏡にて腫瘤部の右主気管支壁の壊死による広範な欠損, 気管支軟骨の露出を認めた. 放射線治療を中断し, 止血剤などによる対症療法を行っていたが12月14日から...
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Published in | 気管支学 Vol. 18; no. 5; p. 519 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本気管支学会
25.07.1996
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ISSN | 0287-2137 |
Cover
Summary: | 症例:69歳, 男性, 農業従事者. 喫煙指数1200. 主訴:血痰と咳嗽. 現病歴:平成7年1月頃から湿性咳嗽出現, 持続. 同年9月頃から血痰, 腰痛出現し某院受診, 胸部X線上右肺門部に腫瘤影指摘された. 気管支鏡下生検にて低分化扁平上皮癌と診断され, 精査により肋骨, 腰椎転移あり, T_4 N_2 M_1 , Stage IVと診断されその後当科紹介. 10月31日から放射線治療開始. 治療中(リニアック36Gy照射時), 気管支鏡にて腫瘤部の右主気管支壁の壊死による広範な欠損, 気管支軟骨の露出を認めた. 放射線治療を中断し, 止血剤などによる対症療法を行っていたが12月14日から喀血が持続, 12月16日大量喀血をきたし死亡した. 中枢型進行肺癌のsupportive therapyの困難さを示す1例と考えた. |
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ISSN: | 0287-2137 |