体外循環開始前に前額面で測定したrSO2値左右差の評価項目としての有用性
「要旨」体外循環開始前に前額面で測定した局所混合血酸素飽和度(regional saturation of oxygen:rSO2)値に左右差を認めるとき, 手術時間, 体外循環中輸血量, 総体外循環時間, 体外循環中の水分バランス, 挿管時間, 集中治療室滞在時間, 在院日数の評価項目としての有用性の有無を後方視的に比較検討した. 対象は, 2011年1月から2013年7月に人工心肺を使用した成人開心術112症例とした. 術前頭頚部評価での有意狭窄の有無とrSO2値の左右差の有無により, 4群に分類して手術時間, 体外循環中輸血量, 総体外循環時間, 体外循環中の水分バランス, 挿管時間,...
Saved in:
Published in | 体外循環技術 Vol. 42; no. 4; pp. 407 - 411 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本体外循環技術医学会
01.12.2015
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0912-2664 |
Cover
Summary: | 「要旨」体外循環開始前に前額面で測定した局所混合血酸素飽和度(regional saturation of oxygen:rSO2)値に左右差を認めるとき, 手術時間, 体外循環中輸血量, 総体外循環時間, 体外循環中の水分バランス, 挿管時間, 集中治療室滞在時間, 在院日数の評価項目としての有用性の有無を後方視的に比較検討した. 対象は, 2011年1月から2013年7月に人工心肺を使用した成人開心術112症例とした. 術前頭頚部評価での有意狭窄の有無とrSO2値の左右差の有無により, 4群に分類して手術時間, 体外循環中輸血量, 総体外循環時間, 体外循環中の水分バランス, 挿管時間, 集中治療室滞在時間, 在院日数で比較検討した. なお, 本研究でのrSO2値の左右差は>5%と定めた. 結果, rSO2値の左右差による検討項目への有意差はなく, 上述した比較検討対象における評価項目としては有効ではないと認めた. 左右差を与える因子を考慮した上で, 読み取り, 正しい判断ができれば, 周術期における脳保護管理や選択的脳灌流時の脳灌流の指標など, 様々な場面での活用が期待できるものと思われる. |
---|---|
ISSN: | 0912-2664 |