扁桃炎に伴った反応性関節炎の1例

症例は7歳, 男児. 平成16年9月初旬, 40°台の高熱を認め扁桃炎と診断, 抗生剤投与にて数日で解熱した. 同年10月初旬より左膝痛と跛行が出現, 徐々に増悪したため近医を受診. MRI検査にて左膝軟部腫瘍を疑われ同年11月当科紹介され受診した. 初診時左膝の腫脹と膝蓋上外側部に約3cm大の腫瘤を認めたが, 発赤, 熱感および可動域制限はなかった. X線像では異常なく, MRIにてT1WI:low, T2WI:highの膝蓋上嚢に限局した異常信号を認めた. 同年12月, 診断を目的に鏡視下滑膜切除術を施行. 病理所見は細菌塊を伴った滑膜炎であったが, 細菌培養検査では陰性であった. 術後左...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 55; no. 4; p. 519
Main Authors 大嶺啓, 池間康成, 新城宏隆, 新垣薫, 大湾一郎, 金谷文則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2006
Online AccessGet full text
ISSN0037-1033

Cover

More Information
Summary:症例は7歳, 男児. 平成16年9月初旬, 40°台の高熱を認め扁桃炎と診断, 抗生剤投与にて数日で解熱した. 同年10月初旬より左膝痛と跛行が出現, 徐々に増悪したため近医を受診. MRI検査にて左膝軟部腫瘍を疑われ同年11月当科紹介され受診した. 初診時左膝の腫脹と膝蓋上外側部に約3cm大の腫瘤を認めたが, 発赤, 熱感および可動域制限はなかった. X線像では異常なく, MRIにてT1WI:low, T2WI:highの膝蓋上嚢に限局した異常信号を認めた. 同年12月, 診断を目的に鏡視下滑膜切除術を施行. 病理所見は細菌塊を伴った滑膜炎であったが, 細菌培養検査では陰性であった. 術後左膝痛は軽快したが, 左足関節痛と左股関節痛が新たに出現. 若年性関節リウマチなどを疑い当院小児科紹介, 血液検査にてASO, ASK高値, さらに扁桃腫大を認めたことから反応性関節炎と診断し, 本年3月扁桃摘出, 術後1カ月で関節痛は消失した. 現在, 術後1年で再発なく経過している.
ISSN:0037-1033