IMPELLA補助下の患者に対する開心術2症例の経験

「要旨」IMPELLAは本邦においても多くの施設で導入され, 病態的に外科手術が必要となる症例もある. IMPELLA補助下の患者に対する開心術2症例を経験したので報告する. 症例1はVSP術後の患者で, VSPが再燃し左室内圧減圧を目的にIMPELLAを導入した. 術中, IMPELLA本体は室内に留置したままVSP閉鎖術を行った. IMPELLA再駆動時に消費電力の異常上昇を認め, 使用不能となった. 人工心肺下で抜去し, IABPで人工心肺を離脱した. 症例2はMRの患者で術前からECMOを追加しECPELLAで全身管理を行っていた. 術中のIMPELLA操作が煩雑であることを考慮し,...

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Published in体外循環技術 Vol. 51; no. 4; pp. 476 - 480
Main Authors 高橋佳汰, 田辺貴幸, 森本智哉, 中田貴丈, 田中千久, 石田奈々絵, 山下雄作, 佐藤耕一, 田辺克也, 岩倉具宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本体外循環技術医学会 01.12.2024
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ISSN0912-2664

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Summary:「要旨」IMPELLAは本邦においても多くの施設で導入され, 病態的に外科手術が必要となる症例もある. IMPELLA補助下の患者に対する開心術2症例を経験したので報告する. 症例1はVSP術後の患者で, VSPが再燃し左室内圧減圧を目的にIMPELLAを導入した. 術中, IMPELLA本体は室内に留置したままVSP閉鎖術を行った. IMPELLA再駆動時に消費電力の異常上昇を認め, 使用不能となった. 人工心肺下で抜去し, IABPで人工心肺を離脱した. 症例2はMRの患者で術前からECMOを追加しECPELLAで全身管理を行っていた. 術中のIMPELLA操作が煩雑であることを考慮し, 心内から引き抜いて下行大動脈に留置した. IMPELLAはプロタミン投与後に抜去した. 2症例とも, 異なる補助循環装置で人工心肺を離脱し, 救命し得た. IMPELLAは特性上, 心内に留置したまま手術をするか, 抜去するかを選択しなければならない. 留置したままにする場合は, 外科医, 麻酔科医, perfusionist, IMPELLA操作する臨床工学技士の連携が重要であり, 抜去する場合は別の補助循環のプランを事前に検討しておくことが重要であると考えられる.
ISSN:0912-2664