痙性斜頸にたいするわれわれの治療方針

痙性斜頸の診断は比較的容易であるが, その経過はまちまちで, また治療方針についても未だ一定の見解はみられない. そこで当教室において昭和33年以後経験した34例の痙性斜頸の進行過程, 治療成績につき検討したが, そのfollow up期間は1~15年平均6.8年であった. 発症年齢は30歳代に最も多く, 全例の約1/3を占め, 男は女の約2.5倍の発生率であった. 筋弛緩剤などの投与による保存的治療が21例に行われたが, このうち5年以上のfollow upができたもの10例についてその進行過程を詳しくみると, Meares(1971)の述べている如く, 疾患は寛解, 増悪をくりかえしている...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 13; no. suppl; pp. 176 - 177
Main Authors 難波真平, 村上昌穂, 島村裕, 松本祐蔵, 大本堯史, 松本圭蔵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 01.10.1973
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ISSN0470-8105

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Summary:痙性斜頸の診断は比較的容易であるが, その経過はまちまちで, また治療方針についても未だ一定の見解はみられない. そこで当教室において昭和33年以後経験した34例の痙性斜頸の進行過程, 治療成績につき検討したが, そのfollow up期間は1~15年平均6.8年であった. 発症年齢は30歳代に最も多く, 全例の約1/3を占め, 男は女の約2.5倍の発生率であった. 筋弛緩剤などの投与による保存的治療が21例に行われたが, このうち5年以上のfollow upができたもの10例についてその進行過程を詳しくみると, Meares(1971)の述べている如く, 疾患は寛解, 増悪をくりかえしているものが多いが, 現時点で軽快と判定されたものが7例であり, また5年以上の経過にわたり, 進行性に増悪する例は1例もみられなかった.
ISSN:0470-8105