抑うつ状態を呈した原発性副甲状腺機能亢進症と思われる1例
「要旨」症例は抑うつ状態から意識障害にいたり, 内分泌学的検査にて副甲状腺ホルモン(PTH-C)が16.6ng/mlと高値を示していたことより, 原発性副甲状腺機能亢進症と診断した67歳の男性である. 精神症状の治療には抗精神病薬や抗うつ薬などの投与とともに副甲状腺の摘出術を行い, 改善が得られている. 原発性副甲状腺機能亢進症にみられる精神症状に関する症例報告は, 本邦では少ないと思われたので, 若干の考察を加えここに報告した. 原発性副甲状腺機能亢進症における精神症状については, 副甲状腺クリーゼにみられる精神症状など成書には詳細に記載されているが, 本邦での症例報告は少ない. 今回, 著...
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Published in | 医療 Vol. 48; no. 1; pp. 50 - 53 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
国立医療学会
1994
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ISSN | 0021-1699 |
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Summary: | 「要旨」症例は抑うつ状態から意識障害にいたり, 内分泌学的検査にて副甲状腺ホルモン(PTH-C)が16.6ng/mlと高値を示していたことより, 原発性副甲状腺機能亢進症と診断した67歳の男性である. 精神症状の治療には抗精神病薬や抗うつ薬などの投与とともに副甲状腺の摘出術を行い, 改善が得られている. 原発性副甲状腺機能亢進症にみられる精神症状に関する症例報告は, 本邦では少ないと思われたので, 若干の考察を加えここに報告した. 原発性副甲状腺機能亢進症における精神症状については, 副甲状腺クリーゼにみられる精神症状など成書には詳細に記載されているが, 本邦での症例報告は少ない. 今回, 著者らは抑うつ状態から, 意識障害にいたり, 内分泌学的検査にて, 副甲状腺ホルモンの高値により, 原発性副甲状腺機能亢進症と診断するにいたった67歳男性の症例を経験したので, 若干の考察を加え報告する. 「症例」患者 67歳, 男性, 自営業(釣具店) 家族歴:特記すべき事項なし. 病前性格:神経質, 几帳面, 勤勉, 真面目, 内気, 苦労性, 小胆, 寡言 |
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ISSN: | 0021-1699 |