Er:YAG Fractionalレーザーによる瘢痕治療
「要旨」瘢痕とは組織に何らかの損傷が生じた際に働く創傷治癒の結果みられる線維成分であるため, 消すことは不可能と考えられてきた. 瘢痕の病態を表皮の菲薄化, 乳様突起の消失, I型コラーゲンの減少, 皮膚付属器の消失と捉えた時, レーザーによって改善できる点はI型コラーゲンの増加である. Er:YAGレーザーは水分に対する吸収率がCO2レーザーの約15倍高く, また組織に凝固層を作らない利点があり, 創傷治癒機転を考えると, 瘢痕治療に最適であり, 組織学的検査において照射後のI型コラーゲンの増加, 皮膚粘弾性測定装置での弾力性の増加が確認され, 肉眼的には拘縮による盛り上がりの減少, 皮膚の...
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Published in | 日本レーザー医学会誌 Vol. 34; no. 2; pp. 175 - 179 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本レーザー医学会
30.09.2013
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Summary: | 「要旨」瘢痕とは組織に何らかの損傷が生じた際に働く創傷治癒の結果みられる線維成分であるため, 消すことは不可能と考えられてきた. 瘢痕の病態を表皮の菲薄化, 乳様突起の消失, I型コラーゲンの減少, 皮膚付属器の消失と捉えた時, レーザーによって改善できる点はI型コラーゲンの増加である. Er:YAGレーザーは水分に対する吸収率がCO2レーザーの約15倍高く, また組織に凝固層を作らない利点があり, 創傷治癒機転を考えると, 瘢痕治療に最適であり, 組織学的検査において照射後のI型コラーゲンの増加, 皮膚粘弾性測定装置での弾力性の増加が確認され, 肉眼的には拘縮による盛り上がりの減少, 皮膚のテキスチャーの改善が得られた. 「1. はじめに」瘢痕とは創傷, 潰瘍, 膿瘍, 炎症などのあとに生じ, 皮膚欠損を膠原線維の増加で補填したものと定義されている1). |
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ISSN: | 0288-6200 |