口蓋ミオクローヌスを伴った嚥下障害に対し,薬物療法と摂食・嚥下訓練が有効であった2症例

口蓋ミオクローヌス(palatal myoclonus, 以下PM)は軟口蓋に出現する律動性の不随意運動である. 最初, ミオクローヌスは軟口蓋に出現し, 後に両側性に広がり喉頭, 声帯に及ぶこともある. 自覚症状としては耳鳴りが多い1, 2)が, 嚥下障害の報告もある3, 4). PMに対する薬物療法の報告は散見される3, 5~10)が, PMを伴った嚥下障害に対するリハビリテーション(以下, リハ)の報告は少ない10). 今回我々はPMを伴った嚥下障害に対して薬物療法も活用しながらリハを行い, 有効であった2症例を経験したので報告する. 症例1 患者:54歳, 女性, 主婦 病名:脳内出血...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inリハビリテーション医学 Vol. 41; no. 4; pp. 232 - 236
Main Authors 御子神由紀子, 尾花正義, 水間正澄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.04.2004
Online AccessGet full text
ISSN0034-351X

Cover

More Information
Summary:口蓋ミオクローヌス(palatal myoclonus, 以下PM)は軟口蓋に出現する律動性の不随意運動である. 最初, ミオクローヌスは軟口蓋に出現し, 後に両側性に広がり喉頭, 声帯に及ぶこともある. 自覚症状としては耳鳴りが多い1, 2)が, 嚥下障害の報告もある3, 4). PMに対する薬物療法の報告は散見される3, 5~10)が, PMを伴った嚥下障害に対するリハビリテーション(以下, リハ)の報告は少ない10). 今回我々はPMを伴った嚥下障害に対して薬物療法も活用しながらリハを行い, 有効であった2症例を経験したので報告する. 症例1 患者:54歳, 女性, 主婦 病名:脳内出血(右小脳, 左視床) 既往歴:特記事項なし 現病歴:2001年8月2日, 右小脳と左視床の脳内出血発症し, 他院入院. 同日右小脳出血に対し開頭血腫除去術が施行された. 術後, 運動失調, 右片麻痺を認めるため理学療法, 作業療法が開始された. 食事摂取量が少ないため嚥下障害を疑い嚥下造影検査(videofluoroscopy, 以下VF)が施行された.
ISSN:0034-351X