スエヒロタケ (Schizophyllum commune) の特異的IgE抗体のみが検出されたアレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎の検討

「はじめに」大気中に浮遊している胞子や菌糸断片を吸入することでアレルギー性気道疾患を来すことはよく知られている. 上気道疾患であるアレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎(allergic fungal rhinosinusitis: AFRS)は, 吸入した真菌が副鼻腔に定着したのちに非浸潤性に増殖し, 真菌に対するI型・III型のアレルギー反応やT細胞応答などにより病態が形成されると考えられている. 原因真菌の特定が困難なことから詳細な報告は乏しいが, AFRSの多いインドではアスペルギルスが最多であるとの報告がある. 最近では, インドでもスエヒロタケ(Schizophyllum commune)の...

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Published in耳鼻咽喉科免疫アレルギー Vol. 37; no. 1; pp. 21 - 24
Main Authors 井上なつき, 吉川衛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会 26.03.2019
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ISSN0913-0691

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Summary:「はじめに」大気中に浮遊している胞子や菌糸断片を吸入することでアレルギー性気道疾患を来すことはよく知られている. 上気道疾患であるアレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎(allergic fungal rhinosinusitis: AFRS)は, 吸入した真菌が副鼻腔に定着したのちに非浸潤性に増殖し, 真菌に対するI型・III型のアレルギー反応やT細胞応答などにより病態が形成されると考えられている. 原因真菌の特定が困難なことから詳細な報告は乏しいが, AFRSの多いインドではアスペルギルスが最多であるとの報告がある. 最近では, インドでもスエヒロタケ(Schizophyllum commune)の報告も散見されるようになり, 本邦でも同様の報告が増加している. しかし, 保険診療下ではスエヒロタケ(Schizophyllum commune)に対する特異的IgE抗体を測定することができないのが現状である.
ISSN:0913-0691