本学臨床実習における学外研修に対する学生の意識調査 -ケアセンターについてと全体のまとめ

はじめに 本学の臨床実習では院内生が実際の患者の初診から術後管理までを一貫して担当するいわゆる一口腔単位制度を採用している. 指導医の患者を1年間担当して患者とのラポールを確立し, 院内生個々の能力に合わせて可及的に実際の医療行為を行わせている1). しかし, 昨今の患者の医療に対するニーズの多様化と高度化, それに伴い歯科医療の専門分化および患者の権利の尊重等社会環境の予想を超える変貌と複雑化に加え, 地域社会における歯科医師数の増加は先に示した教育目標の達成を困難にしている. また, 2006年度より卒後研修が義務化され医科とは異なり, 各大学卒業生が各大学で研修を行うため, 卒前の臨床教...

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Published in神奈川歯学 Vol. 42; no. 1; pp. 25 - 31
Main Authors 鍵和田 豊, 今井崇隆, 田中欽也, 兼松恭規, 星 憲幸, 荒川秀樹, 豊田 實
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 神奈川歯科大学学会 30.06.2007
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ISSN0454-8302

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Summary:はじめに 本学の臨床実習では院内生が実際の患者の初診から術後管理までを一貫して担当するいわゆる一口腔単位制度を採用している. 指導医の患者を1年間担当して患者とのラポールを確立し, 院内生個々の能力に合わせて可及的に実際の医療行為を行わせている1). しかし, 昨今の患者の医療に対するニーズの多様化と高度化, それに伴い歯科医療の専門分化および患者の権利の尊重等社会環境の予想を超える変貌と複雑化に加え, 地域社会における歯科医師数の増加は先に示した教育目標の達成を困難にしている. また, 2006年度より卒後研修が義務化され医科とは異なり, 各大学卒業生が各大学で研修を行うため, 卒前の臨床教育に必要な患者数は減少の一途をたどることになる2). このような現実を踏まえて, 院内生は一つ一つの「症例」や様々な「経験」を大切にし, 自己研鑽を積む必要がある. そして, 臨床で必要なより多くの経験をするためには, 学外の研修施設に頼らざるを得ない.
ISSN:0454-8302