自動心肺蘇生器 Clover3000(TM)の使用経験

「はじめに」成人の心肺蘇生教育は2000年の心肺蘇生ガイドラインが発表されて以降急速に普及しており, 質の高い心肺蘇生(cardiopulmonary resuscitation, 以下CPRと略す)の重要性がうたわれている. CPRは胸骨圧迫と人工呼吸によって成り立つが, 自己心拍再開のためには冠動脈血流量を保つ必要があり, 心肺蘇生ガイドラインでも適切な胸骨圧迫の施行が重要とされている. また, 脳血流の維持は神経学的予後に影響する. 胸骨圧迫は, 適切な深さ, テンポ, リコイル, 中断時間の短縮が重要であり, 様々なトレーニングコースでも強調されている. 自動心肺蘇生器Clover30...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in蘇生 Vol. 37; no. 1; pp. 16 - 18
Main Authors 丹保亜希仁, 岩田周耕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本蘇生学会 28.04.2018
Online AccessGet full text
ISSN0288-4348

Cover

More Information
Summary:「はじめに」成人の心肺蘇生教育は2000年の心肺蘇生ガイドラインが発表されて以降急速に普及しており, 質の高い心肺蘇生(cardiopulmonary resuscitation, 以下CPRと略す)の重要性がうたわれている. CPRは胸骨圧迫と人工呼吸によって成り立つが, 自己心拍再開のためには冠動脈血流量を保つ必要があり, 心肺蘇生ガイドラインでも適切な胸骨圧迫の施行が重要とされている. また, 脳血流の維持は神経学的予後に影響する. 胸骨圧迫は, 適切な深さ, テンポ, リコイル, 中断時間の短縮が重要であり, 様々なトレーニングコースでも強調されている. 自動心肺蘇生器Clover3000(TM)(コーケンメディカル, 東京)は, 胸骨圧迫機能に加えて人工呼吸機能を有する日本初の自動心肺蘇生器である. 人工呼吸機能は, 胸骨圧迫に対して同期および非同期モードを有しており一回換気量(200~600mL)を設定することができる.
ISSN:0288-4348