学校・社会と子どものジェンダー - 性別違和・性別不合の児童生徒との関わりを通して考えていること

岡山大学病院精神科神経科は婦人科, 泌尿器科, 形成外科とともに1999年に岡山大学ジェンダークリニックを立ち上げた. 岡山大学ジェンダークリニックは, 毎年120人前後の新患を受け入れており, 2020年8月末までの累計受診者は約2600人あまりにのぼる. 多くの受診者は成人であるが, 彼らが回顧する学童期は, 望まない性別のジェンダー規範に従うことを求められた苦痛の多い時期として語られることが多い. 小中学校, 高校でのジェンダー規範は, 男女別の制服 (特にスカートの強要) , 男女別の持ち物 (お絵かきセット, 習字道具, 裁縫道具など) , 男女別の席配置など数々のものが設定され,...

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Published in児童青年精神医学とその近接領域 Vol. 62; no. 3; pp. 351 - 352
Main Author 松本洋輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本児童青年精神医学会 01.06.2021
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ISSN0289-0968

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Summary:岡山大学病院精神科神経科は婦人科, 泌尿器科, 形成外科とともに1999年に岡山大学ジェンダークリニックを立ち上げた. 岡山大学ジェンダークリニックは, 毎年120人前後の新患を受け入れており, 2020年8月末までの累計受診者は約2600人あまりにのぼる. 多くの受診者は成人であるが, 彼らが回顧する学童期は, 望まない性別のジェンダー規範に従うことを求められた苦痛の多い時期として語られることが多い. 小中学校, 高校でのジェンダー規範は, 男女別の制服 (特にスカートの強要) , 男女別の持ち物 (お絵かきセット, 習字道具, 裁縫道具など) , 男女別の席配置など数々のものが設定され, 児童生徒をそれに従わせることが社会性の涵養や教育指導にあたかも有用であるかのように扱われている.
ISSN:0289-0968