シロリムス溶出性ステント留置16ヵ月後に再狭窄を認めた一症例

症例は81歳, 男性. 10年前に心筋梗塞を発症し, 以後狭心症と高血圧にて通院加療中であった. 3年前から軽度の糖尿病も発症していた. 平成17年10月に冠動脈造影(CAG)を行ったところ左冠動脈前下行枝(LAD)#7に50%, 左冠動脈回旋枝(LCX)#12に90%狭窄を認めた. 右冠動脈(RCA)は#1で慢性完全閉塞(CTO)であった. 同年12月, 他院にてRCAのCTO病変にφ3.5~2.5mmのシロリムス溶出性ステント(SES)計3本とφ2.5mmのBare metal stent(BMS)1本, LCXにφ2.5×18mmのBMSを留置された. その後平成18年9月にはRCAのS...

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Published in山口医学 Vol. 56; no. 6; pp. 234 - 235
Main Authors 佐藤晃, 見上俊輔, 沢映良, 原田希, 塩見浩太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 山口大学医学会 31.12.2007
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ISSN0513-1731

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Summary:症例は81歳, 男性. 10年前に心筋梗塞を発症し, 以後狭心症と高血圧にて通院加療中であった. 3年前から軽度の糖尿病も発症していた. 平成17年10月に冠動脈造影(CAG)を行ったところ左冠動脈前下行枝(LAD)#7に50%, 左冠動脈回旋枝(LCX)#12に90%狭窄を認めた. 右冠動脈(RCA)は#1で慢性完全閉塞(CTO)であった. 同年12月, 他院にてRCAのCTO病変にφ3.5~2.5mmのシロリムス溶出性ステント(SES)計3本とφ2.5mmのBare metal stent(BMS)1本, LCXにφ2.5×18mmのBMSを留置された. その後平成18年9月にはRCAのSES留置部に再狭窄を認めなかったが, LAD#7が90%狭窄に進行していたためφ2.5×18mmのSESを留置した. 本年4月にフォローアップCAGを行ったところ, RCA#2のSESの75%再狭窄とLAD#6の新規90%狭窄を認めたため, RCAをφ3.0×15mmのセーフカットにて再拡張し, LADにφ2.5×18mmのSESを留置した. その後8月末にACSにて入院し, CAGにてLAD#7に留置したSESが90%狭窄, RCA#3に留置したSESが再狭窄, #2に留置したSESが再々狭窄を来していたため, #7はパクリタキセル溶出性ステント(PES), #2-3はPOBAにて治療した. RCAのCTO病変に対してSESを留置し, 留置9ヶ月後には認めなかった再狭窄を16ヶ月後, さらには20ヵ月後にも別部位に認めた症例を経験した. 本症例ではLADに留置したSESも留置7ヵ月後には認めなかった再狭窄を11ヵ月後に認めており, 多発性のLate catch up病変を認めた興味深い症例を経験したので報告した.
ISSN:0513-1731