当院人間ドックにおける睡眠時無呼吸症候群簡易検査の成績

<はじめに>山陽新幹線運転士の居眠り事件をきっかけに睡眠時無呼吸症候群についての知名度は高くなったが, まだ受診をしていない潜在患者は200万人程度存在していると考えられている. 受診・検査の機会を増やすことが必要である. そこで, 当院では2004年4月から人間ドック(日帰り・1泊ドックとも)のオプション検査として睡眠時無呼吸簡易検査の提供を開始した. 今回1年間の受検者の成績を検討したので報告する. <対象と方法>対象は当院人間ドックのオプションとして唾眠時無呼吸簡易検査を受検した27名. なお, 検査にはフクダ電子LT200を使用し, オプション価格を4725円,...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 54; no. 3; p. 344
Main Authors 高橋浩一, 田中惣之輔, 村井博, 大庭三沙, 碓井裕史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農村医学会 01.09.2005
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Summary:<はじめに>山陽新幹線運転士の居眠り事件をきっかけに睡眠時無呼吸症候群についての知名度は高くなったが, まだ受診をしていない潜在患者は200万人程度存在していると考えられている. 受診・検査の機会を増やすことが必要である. そこで, 当院では2004年4月から人間ドック(日帰り・1泊ドックとも)のオプション検査として睡眠時無呼吸簡易検査の提供を開始した. 今回1年間の受検者の成績を検討したので報告する. <対象と方法>対象は当院人間ドックのオプションとして唾眠時無呼吸簡易検査を受検した27名. なお, 検査にはフクダ電子LT200を使用し, オプション価格を4725円, 1日1名限定として募集している(事前予約制). 結果判定は当院呼吸器内科医がおこなった. <結果>当院人間ドックを受診した総数は2711名(日帰り2651名, 1泊60名). このうち睡眠時無呼吸簡易検査の受検者は27名であり, そのうち要精検判定が13名. 要精検のうちすでに受診した者が9名, 残り4名は現在未受診(受診勧奨中). 受診した9名のうち治療開始となっている者が7名, 経過観察が2名. 治療の内訳は, nCPAPが5名, 耳鼻科手術が1名, 歯科装具が1名となっている. <考察>人間ドックオプション検査の受検者の中からも治療を要する重症患者が高率に見いだされており, オプション検査導入の意義は高いと考えられる. 受検してもらうことさえできれば, 適切な診療科に引き継ぎ治療を受けることが可能となるので, 人間ドックの募集パンフレットや結果説明などを通じ睡眠時無呼吸症候群につき周知するとともに, 気軽に受検できるようにすることが重要であると考えられる.
ISSN:0468-2513