習慣流産患者に対する免疫療法の治療成績

「目的」我々は1986年より習慣流産患者に対して夫のリンパ球を投与する免疫療法を行ってきたので, その治療成績について報告する. 「対象」1986年から1999年までの13年間において, 当院習慣流産外来を受診した患者は608例であった. 原発性習慣流産患者は254例であり, 続発性習慣流産患者は179例で, その他が175例であった. 当院では主に原発性習慣流産に対して本治療を行っており, そのうちの147例が対象となった. さらに, 本人の強い希望により続発性習慣流産のうち39例を対象に加えた. 夫婦間のHLA共有性を考慮せず, インフォームド・コンセントの得られた夫婦を対象とした. 「方...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 46; no. 2; p. 187
Main Authors 宮下恵美子, 津野寛和, 柴田洋一, 山下隆博, 三木明徳, 藤井知行, 武谷雄二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.04.2000
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ISSN0546-1448

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Summary:「目的」我々は1986年より習慣流産患者に対して夫のリンパ球を投与する免疫療法を行ってきたので, その治療成績について報告する. 「対象」1986年から1999年までの13年間において, 当院習慣流産外来を受診した患者は608例であった. 原発性習慣流産患者は254例であり, 続発性習慣流産患者は179例で, その他が175例であった. 当院では主に原発性習慣流産に対して本治療を行っており, そのうちの147例が対象となった. さらに, 本人の強い希望により続発性習慣流産のうち39例を対象に加えた. 夫婦間のHLA共有性を考慮せず, インフォームド・コンセントの得られた夫婦を対象とした. 「方法」夫の末梢血30mlよりリンパ球を分離し, 1mlの無菌生理食塩水に浮遊させ, 照射(15Gy)後, 患者前腕屈側3ヶ所に皮内注射した. 1回の投与リンパ球数は, 1~7×107個であり, 治療は2週間毎に行い, 4回~6回実施した. 妊娠初期に1~3回追加注射した.
ISSN:0546-1448