通所施設における歯科的意識調査

「緒言」 現在, 日本では急速に高齢化が進行している. このような状況の中, 高齢化に対する対策として昭和54年から老人デイサービス運営事業が制定され, 運用されている. 高齢化社会において, 老人デイサービスセンターは高齢者の日常生活を円滑に行えるように, 能力の改善や, 環境を繕い与えることを目的とした施設である. 諸活動としては, 理学療法的あるいは体育学的視点からの身体面, また, ゆとりのある神経状態を創り出す精神面, 集団ゲームや創作活動における知的刺激面, 利用者間の仲間意識から芽生える人間関係の面, 最後に全ての生活リズムからの意欲の現れなどの5つの有効な特徴を持つと言われてい...

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Published in神奈川歯学 Vol. 33; no. 3; pp. 121 - 128
Main Authors 荒川秀樹, 鈴木敏行, 本間秋彦, 久保田守, 斎藤滋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 神奈川歯科大学学会 30.09.1998
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ISSN0454-8302

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Summary:「緒言」 現在, 日本では急速に高齢化が進行している. このような状況の中, 高齢化に対する対策として昭和54年から老人デイサービス運営事業が制定され, 運用されている. 高齢化社会において, 老人デイサービスセンターは高齢者の日常生活を円滑に行えるように, 能力の改善や, 環境を繕い与えることを目的とした施設である. 諸活動としては, 理学療法的あるいは体育学的視点からの身体面, また, ゆとりのある神経状態を創り出す精神面, 集団ゲームや創作活動における知的刺激面, 利用者間の仲間意識から芽生える人間関係の面, 最後に全ての生活リズムからの意欲の現れなどの5つの有効な特徴を持つと言われている. 老人デイサービスセンターの設置は, 虚弱な老人の生活空間の拡大もさることながら, 前述した観点から, 老人の社会的孤立を解消できる優れた方法の一つであると思われる. 例えば, 老人デイサービスセンターに通って様々な活動に参加しているうちに元気を回復し, 寝たきりから自立する, あるいは介護量が減る, 痴呆状態が落ちつくなどの改善が見られることもある.
ISSN:0454-8302