某小学校におけるフッ化物洗口によるう蝕抑制効果

「緒言」フッ化物洗口は1946年から試験研究が始まり, 1965年にフッ化物局所応用の中で最も公衆衛生的に優れた方法として確立され, 50年近く応用されている. その間, フッ化物洗口による多数の成果が報告され, 子どものう蝕を15~45%抑制する効果が証明されている. フッ化物洗口には, 主に0.05%のNaF溶液で毎日1回ずつ洗口する毎日法と, 0.2%のNaF溶液で週に1回ずつ洗口する週1回法がある. Ripaらの0.2%(900ppm F)中性NaF溶液を用いた週1回法の研究によれば, 小学1~6年生を1~5年間追跡した結果, 5年間のう蝕抑制率は45.3%(DMFT)と47.4%(D...

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Published in神奈川歯学 Vol. 49; no. 1; pp. 8 - 15
Main Authors 川田和重, 宋文群, 戸田真司, 荒川浩久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 神奈川歯科大学学会 30.06.2014
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Summary:「緒言」フッ化物洗口は1946年から試験研究が始まり, 1965年にフッ化物局所応用の中で最も公衆衛生的に優れた方法として確立され, 50年近く応用されている. その間, フッ化物洗口による多数の成果が報告され, 子どものう蝕を15~45%抑制する効果が証明されている. フッ化物洗口には, 主に0.05%のNaF溶液で毎日1回ずつ洗口する毎日法と, 0.2%のNaF溶液で週に1回ずつ洗口する週1回法がある. Ripaらの0.2%(900ppm F)中性NaF溶液を用いた週1回法の研究によれば, 小学1~6年生を1~5年間追跡した結果, 5年間のう蝕抑制率は45.3%(DMFT)と47.4%(DMFS)であった. また, フッ化物洗口プログラムに参加する子どもの年齢が低く, 洗口期間が長いほど, う蝕予防効果が大きかったことも報告されている. 一方, 平成14年度(2002年)の静岡県における12歳児の一人平均う蝕歯数(DMFT指数)は1.9であり, 同年度の全国平均2.3を下回っていた.
ISSN:0454-8302