H.pylori二次除菌治療後にC.difficile腸炎を発症した1例

「はじめに」 Helicobacter pylori(H.pylori)感染症に対する除菌療法は, 消化性潰瘍および胃癌の発生を減少させるとされ, 慢性胃炎が保険適応となった2010年以降, 施行症例は増加している. それに伴い一次除菌成功率の低下により, 二次除菌療法が必要となる症例を多く経験するようになった. 除菌治療に伴う副反応として最も多いのは下痢である. 今回メトロニダゾールを使用した二次除菌療法後に発症したClostridium difficile(C.difficile)腸炎の1例を経験したので報告する. 「症例」 患者 : 66歳, 男性. 主訴 : 水様性下痢. 既往歴 :...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy(2001年から) Vol. 86; no. 1; pp. 178 - 179
Main Authors 浦吉俊輔, 松本吏弘, 宮谷博幸, 吉田行雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本消化器内視鏡学会関東支部会 13.06.2015
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Summary:「はじめに」 Helicobacter pylori(H.pylori)感染症に対する除菌療法は, 消化性潰瘍および胃癌の発生を減少させるとされ, 慢性胃炎が保険適応となった2010年以降, 施行症例は増加している. それに伴い一次除菌成功率の低下により, 二次除菌療法が必要となる症例を多く経験するようになった. 除菌治療に伴う副反応として最も多いのは下痢である. 今回メトロニダゾールを使用した二次除菌療法後に発症したClostridium difficile(C.difficile)腸炎の1例を経験したので報告する. 「症例」 患者 : 66歳, 男性. 主訴 : 水様性下痢. 既往歴 : 脂質代謝異常症. 家族歴 : 特記事項なし. 生活歴 : 飲酒歴なし, 喫煙歴なし. 現病歴 : 2014年2月健診の内視鏡検査で萎縮性胃炎(木村・竹本分類O-1)を認めた. 血清H.pylori抗体が陽性であったことから, 一次除菌療法(アモキシシリン1,500mg/日, クラリスロマイシン400mg/日, エソメプラゾール40mg/日)を施行されたが不成功であった.
ISSN:1348-9844