当科におけるボイスプロステーシス(PROVOX2(R))を用いた二期的気管食道瘻(T-Eシャント)形成術法

喉頭摘出者の音声機能回復の目的にボイスプロステーシスを用いた音声再建方法がある. 従来, 喉頭癌に対し喉頭摘出を施行された患者に二期的にボイスプロステーシスを用いた気管食道瘻形成術を行う場合, 原法においては食道直達鏡が用いられている. しかし, 頸部伸展困難な症例や下咽頭癌で咽喉食摘, 遊離空腸による再建術を施行された症例に二期的にボイスプロステーシスを用いた気管食道瘻形成術を施行する場合, 食道直達鏡を用いる方法では困難を極める. そこで我々は内視鏡と気管チューブを用いた手術法を考案した. これにより食道鏡を用いるよりもより簡便でかつ安全に手術を行うことが可能となった. はじめに 喉頭や下...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 107; no. 12; pp. 1033 - 1037
Main Authors 須田佳人, 春田厚, 小松原幸子, 中島崇博, 清水順一, 直野秀和, 外山勝浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本耳鼻咽喉科学会 20.12.2004
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ISSN0030-6622

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Summary:喉頭摘出者の音声機能回復の目的にボイスプロステーシスを用いた音声再建方法がある. 従来, 喉頭癌に対し喉頭摘出を施行された患者に二期的にボイスプロステーシスを用いた気管食道瘻形成術を行う場合, 原法においては食道直達鏡が用いられている. しかし, 頸部伸展困難な症例や下咽頭癌で咽喉食摘, 遊離空腸による再建術を施行された症例に二期的にボイスプロステーシスを用いた気管食道瘻形成術を施行する場合, 食道直達鏡を用いる方法では困難を極める. そこで我々は内視鏡と気管チューブを用いた手術法を考案した. これにより食道鏡を用いるよりもより簡便でかつ安全に手術を行うことが可能となった. はじめに 喉頭や下咽頭の悪性腫瘍に対し手術治療を行い喉頭を摘出された場合, 術後の音声獲得法として, 食道発声, 電気喉頭, 気管食道瘻による発声法がある. わが国では主に食道発声による音声獲得が行われているが, 音声を獲得するためには訓練が必要であるうえに, 音声獲得率は16.9~63%1)2)である.
ISSN:0030-6622