滑膜B型細胞におけるNK1 Rの発現とsubstance Pの影響

関節炎は痛みと, しばしば骨破壊を伴うが, 痛みと骨破壊の関係は明らかでない. 今回, 滑膜B型細胞にSPのreceptorであるneurokinin-1 receptor(NK1-R)が発現するのか, またSPが滑膜を介してどのように作用するのかを検討した. 滑膜B型細胞にNK1-Rが局在し, 10-6~10-10MのSPは滑膜B型細胞数を上昇させ, SPおよびNK1-R antagonistの添加によりこの上昇は減少した. これは, SPが, NK1-Rを介していることを示唆した. また, RT-PCR及び免疫蛍光染色によって, SPはRANKLの発現を上昇させることが明らかになった. 以...

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Published in九州歯科学会雑誌 Vol. 57; no. 4; p. 111
Main Authors 又吉誉章, 後藤哲哉, 福原栄司, 米谷香織, 小林繁, 高橋哲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州歯科学会 25.08.2003
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Summary:関節炎は痛みと, しばしば骨破壊を伴うが, 痛みと骨破壊の関係は明らかでない. 今回, 滑膜B型細胞にSPのreceptorであるneurokinin-1 receptor(NK1-R)が発現するのか, またSPが滑膜を介してどのように作用するのかを検討した. 滑膜B型細胞にNK1-Rが局在し, 10-6~10-10MのSPは滑膜B型細胞数を上昇させ, SPおよびNK1-R antagonistの添加によりこの上昇は減少した. これは, SPが, NK1-Rを介していることを示唆した. また, RT-PCR及び免疫蛍光染色によって, SPはRANKLの発現を上昇させることが明らかになった. 以上の結果より, SPは, 滑膜B型細胞を増殖させることによって, 破骨細胞分化を促進すると同時に, 滑膜B型細胞にRANKLの発現を誘導することが示唆された.
ISSN:0368-6833