高齢2型糖尿病患者におけるイメグリミン塩酸塩 (ツイミーグ(R)) の有効性と安全性の検討
「要旨」背景:イメグリミンはミトコンドリアに作用してインスリン分泌能とインスリン抵抗性の改善が期待できる薬剤であるが, 実臨床における高齢糖尿病患者に対する有効性と安全性を検討した報告はないため, 後ろ向き観察研究を行った. 方法:2022年9月1日~2024年1月31日の間に当院にてイメグリミン1回1000mgの1日2回投与が開始され, その後6カ月間は糖尿病治療の変更がない75歳以上の高齢2型糖尿病患者52名においてHbA1c, 随時血糖値, BMI, eGFR, 肝機能, 脂質代謝の指標の変化およびHbA1cの変化度と相関のある指標, 高齢糖尿病患者の目標HbA1c達成率の変化を検討した...
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Published in | 新薬と臨牀 Vol. 73; no. 12; pp. 1357 - 1368 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
医薬情報研究所
10.12.2024
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ISSN | 0559-8672 |
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Summary: | 「要旨」背景:イメグリミンはミトコンドリアに作用してインスリン分泌能とインスリン抵抗性の改善が期待できる薬剤であるが, 実臨床における高齢糖尿病患者に対する有効性と安全性を検討した報告はないため, 後ろ向き観察研究を行った. 方法:2022年9月1日~2024年1月31日の間に当院にてイメグリミン1回1000mgの1日2回投与が開始され, その後6カ月間は糖尿病治療の変更がない75歳以上の高齢2型糖尿病患者52名においてHbA1c, 随時血糖値, BMI, eGFR, 肝機能, 脂質代謝の指標の変化およびHbA1cの変化度と相関のある指標, 高齢糖尿病患者の目標HbA1c達成率の変化を検討した. 結果:イメグリミン投与後, HbA1cは有意な低下を認め肝機能と脂質代謝にも好影響を示した. BMIとeGFRに有意な変化は認めなかった. HbA1cの変化度はイメグリミン投与開始時のHbA1cと有意な負の相関を示し, 糖尿病治療薬剤数と有意な正の相関を示した. 全症例において高齢糖尿病患者の目標HbA1c達成率は73.1%となった. 結論:イメグリミンは高齢2型糖尿病患者に対して血糖マネジメントの改善効果を認め, 体重減少や腎機能低下のリスクが少ない薬剤である. |
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ISSN: | 0559-8672 |