高齢者施設入所者におけるQuantiFERON(R) TBゴールドプラスの検討
要旨: 〔目的〕 QuantiFERON(R) TBゴールドプラス(QFT-Plus)は, CD8+ T細胞(CD8)による免疫応答を評価することで感度の上昇が期待される. 高齢者においてQFT-Plusの有用性を検討した. 〔対象と方法〕 高齢者66歳から104歳の計127例(中央値90歳)を対象としQFT-PlusとT-スポット(R) TB (T-SPOT)の陽性率を比較した. QFT-Plusでは, TB1とTB2の結果を比較した. リンパ球サブセット(CD4およびCD8の数)と陽性結果との関連性をROC曲線を使用して分析した. 〔結果〕 陽性率は, QFT-Plus 13.4%, T-...
Saved in:
Published in | 結核 Vol. 97; no. 6; pp. 317 - 321 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本結核・非結核性抗酸菌症学会
15.09.2022
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0022-9776 |
Cover
Summary: | 要旨: 〔目的〕 QuantiFERON(R) TBゴールドプラス(QFT-Plus)は, CD8+ T細胞(CD8)による免疫応答を評価することで感度の上昇が期待される. 高齢者においてQFT-Plusの有用性を検討した. 〔対象と方法〕 高齢者66歳から104歳の計127例(中央値90歳)を対象としQFT-PlusとT-スポット(R) TB (T-SPOT)の陽性率を比較した. QFT-Plusでは, TB1とTB2の結果を比較した. リンパ球サブセット(CD4およびCD8の数)と陽性結果との関連性をROC曲線を使用して分析した. 〔結果〕 陽性率は, QFT-Plus 13.4%, T-SPOT 12.6%で有意差はなかった. TB1とTB2の結果の一致率κ係数は0.93となり高い一致を示した. ROC分析の結果, リンパ球サブセット(CD4およびCD8の数)はQFT-PlusとT-SPOTの陽性率に寄与しなかった. 〔結語〕 今回の検討での高齢者においては, QFT-PlusとT-SPOTの陽性率は同等であった. QFT-Plusに追加されたTB2による感度上昇効果は確認できなかった. |
---|---|
ISSN: | 0022-9776 |