CTの口腔領域での基礎的研究

「はじめに」Computed tomography (以下, CTと略す) は, 脳疾患の診断を目的として開発され, 1971年, HounsfieldとAmbroseによって試作機が完成した. その後のCTの発展は目ざましく, 全身用CTやダイナミックスタディが可能なCTが開発されてきた. したがって, 今日のCTは, 脳部のみならず全身の諸臓器についても, 画像診断の一翼をになっている. このような背景から, 最近, 口腔領域の疾患についてもCTによる臨床報告が増してきている. また, CTの機構は, 従来のX線撮影装置とは大きく異なっている. このため, CTの物理的特性や臨床応用のため...

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Published in神奈川歯学 Vol. 19; no. 1; pp. 1 - 18
Main Author 鈴木信一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 神奈川歯科大学学会 30.06.1984
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ISSN0454-8302

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Summary:「はじめに」Computed tomography (以下, CTと略す) は, 脳疾患の診断を目的として開発され, 1971年, HounsfieldとAmbroseによって試作機が完成した. その後のCTの発展は目ざましく, 全身用CTやダイナミックスタディが可能なCTが開発されてきた. したがって, 今日のCTは, 脳部のみならず全身の諸臓器についても, 画像診断の一翼をになっている. このような背景から, 最近, 口腔領域の疾患についてもCTによる臨床報告が増してきている. また, CTの機構は, 従来のX線撮影装置とは大きく異なっている. このため, CTの物理的特性や臨床応用のための基礎的研究も多数報告されているが, これらの研究の多くは, 軟組織の診断を想定したものである. しかし, CTを口腔領域に応用する際には, 歯や骨などの硬組織の存在を無視できない. したがって, CTの口腔領域での使用を想定したCTの特性を検討することは重要であると考えられる.
ISSN:0454-8302