関節血症を呈さなかった膝関節内海綿状血管腫の一例
「要旨」症例は14歳, 男性. 2年前から繰り返す右膝関節痛の精査目的に当科へ紹介となった. 右膝関節内側に限局する圧痛を認めたが, 経過を通して明らかな腫脹, 関節血症は生じなかった. MRIで右膝関節内側谷部に腫瘍性病変を認め, 関節鏡下腫瘍切除術を行った. 切除検体の病理学的検査で海綿状血管腫の確定診断となった. 術後症状は軽快し再発なく経過している. 若年者のスポーツ整形外科診療では膝関節痛を主訴に受診する例が多くみられるが, 繰り返す膝関節痛を呈する場合には腫脹や関節血症のエピソードがなくとも本疾患を念頭に置く必要がある....
Saved in:
Published in | 日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 27; no. 3; pp. 521 - 524 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床スポーツ医学会
30.08.2019
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 1346-4159 |
Cover
Summary: | 「要旨」症例は14歳, 男性. 2年前から繰り返す右膝関節痛の精査目的に当科へ紹介となった. 右膝関節内側に限局する圧痛を認めたが, 経過を通して明らかな腫脹, 関節血症は生じなかった. MRIで右膝関節内側谷部に腫瘍性病変を認め, 関節鏡下腫瘍切除術を行った. 切除検体の病理学的検査で海綿状血管腫の確定診断となった. 術後症状は軽快し再発なく経過している. 若年者のスポーツ整形外科診療では膝関節痛を主訴に受診する例が多くみられるが, 繰り返す膝関節痛を呈する場合には腫脹や関節血症のエピソードがなくとも本疾患を念頭に置く必要がある. |
---|---|
ISSN: | 1346-4159 |