障害児・者の歯科医療提供サービス推進の検討 - 口腔 (歯科) 保健センター等における障害児・者歯科診療に関する実態調査から
要旨:目的:障害児・者が身近な地域でより質の高い歯科医療がいつでも受けられる体制を整備するために, 口腔(歯科)保健センター等(口腔保健センター)での障害者歯科診療の実態を把握し, 問題点を抽出・整理することを目的とした. 方法および対象:調査は日本歯科医学会の承認を得たうえで, 本調査の趣旨説明と質問内容および回答先Google formのURLと二次元バーコードを343件の口腔保健センターへ郵送して実施した. 結果:調査に同意が得られた215件より回答を得たが, 対象に該当する障害児・者の歯科診療を受け入れている施設は142件(66.0%)であったため, これら142件を分析対象とした....
Saved in:
Published in | 障害者歯科 Vol. 45; no. 2; pp. 117 - 127 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本障害者歯科学会
30.06.2024
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0913-1663 |
Cover
Summary: | 要旨:目的:障害児・者が身近な地域でより質の高い歯科医療がいつでも受けられる体制を整備するために, 口腔(歯科)保健センター等(口腔保健センター)での障害者歯科診療の実態を把握し, 問題点を抽出・整理することを目的とした. 方法および対象:調査は日本歯科医学会の承認を得たうえで, 本調査の趣旨説明と質問内容および回答先Google formのURLと二次元バーコードを343件の口腔保健センターへ郵送して実施した. 結果:調査に同意が得られた215件より回答を得たが, 対象に該当する障害児・者の歯科診療を受け入れている施設は142件(66.0%)であったため, これら142件を分析対象とした. 非常勤歯科医師による輪番制で対応している施設が多く, 業務内容は, 外来診療が134件(94.4%)と主体であった. 他の医療機関等との連携はあるにもかかわらず, 患者の紹介率の平均(SD)が21.1(28.5)%に対して, 逆紹介率は8.7(14.8)%であった. 「現在あるいは今後予想される医療上および経営管理上で困っている点/問題点」があるとの回答が, それぞれ105件(73.9%), 89件(62.7%)であった. 医療上の問題点としては, 「人員の不足」が最も多く, 「障害者の特性を考慮した特殊なケースを受け入れる専門性の不足」「逆紹介できる歯科診療所が少ない」の順となった. 結論:地域における障害児・者の歯科医療提供を充実するためには, 歯科保健相談, 歯科訪問診療への対応や専門性の高い人材の確保や歯科医療機関の円滑な連携がとれる体制を整備する必要があると考えられた. |
---|---|
ISSN: | 0913-1663 |