成人の同側大腿骨・脛骨複合骨折の検討

「はじめに」同側大腿骨, 下腿骨複合骨折は強力な外傷にとなうもので, 最近ではしばしば遭遇する骨折といえる. 今回われわれは保存的治療を主とする小児及び老人を除いた成人の同側大腿骨下腿骨複合骨折の術後の成績について検討したので若干の文献的考察を加え報告する. 対象 1986年より1995年までの10年間に, 当院で観血的治療を行った同側大腿骨下腿骨複合骨折50例の中で6カ月間以上(平均観察期間18カ月)経過観察できた30例を対象とした. 受傷時年齢は16歳から61歳, 平均33歳で, 性別は男性23例, 女性7例であった. 受傷原因は29例が交通事故, 1例が労災事故で, すべて強力な外力が原...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 47; no. 1; pp. 309 - 313
Main Authors 橋本彰二, 後藤琢也, 山下寿, 森田雅和, 安部淳, 坂井健介, 村上秀孝, 山田徹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.1998
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Summary:「はじめに」同側大腿骨, 下腿骨複合骨折は強力な外傷にとなうもので, 最近ではしばしば遭遇する骨折といえる. 今回われわれは保存的治療を主とする小児及び老人を除いた成人の同側大腿骨下腿骨複合骨折の術後の成績について検討したので若干の文献的考察を加え報告する. 対象 1986年より1995年までの10年間に, 当院で観血的治療を行った同側大腿骨下腿骨複合骨折50例の中で6カ月間以上(平均観察期間18カ月)経過観察できた30例を対象とした. 受傷時年齢は16歳から61歳, 平均33歳で, 性別は男性23例, 女性7例であった. 受傷原因は29例が交通事故, 1例が労災事故で, すべて強力な外力が原因であった. 方法 骨折型の分類はFraser分類1)用い4型に分類した図1). 術後機能評価はkarlstromの下肢機能評価に基づき, 最終観察時での患肢の状態をそれぞれ優, 可, 不可の4段階に判定した. 結果 Fraser分類では, I型18例, IIa型8例, IIb型例, IIc型3例であった. 治療成績は優14例, 良9例, 可3例, 不可4例で, 優と良を成績良好群とすれば, 23例(77%)が良好群であった.
ISSN:0037-1033