中枢神経障害の立位姿勢制御の検討

「目的」中枢神経疾患の立位保持機能を外乱刺激に対する立ち直り反応の側面から検討した. 「対象」当院に通院・入院するパーキンソン病, 脊髄小脳変性症, 脳血管障害それぞれ5例について検討し, 正常対照群5例と比較した. 各群間に年齢差はない. 「方法」1)動的平衡機能検査(NeuroCom社製EQT)を用い, フォースプレートとしての起立板によって25°/secの角速度で8°足関節を背屈(toes up)させた時に, 前脛骨筋(TA), 大腿四頭筋(Quad. )に出現, 立ち直り反応を反映するとされるLong Latency Response(LLR)と足圧中心の軌跡を各群ごとに測定した. 2...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 36; no. 11; pp. 778 - 779
Main Authors 山口明, 日野創, 西尾真一, 大仲功一, 大田仁史, 安岡利一, 伊佐地隆, 高木昭輝, 宇川康二, 出倉庸子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.11.1999
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ISSN0034-351X

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Summary:「目的」中枢神経疾患の立位保持機能を外乱刺激に対する立ち直り反応の側面から検討した. 「対象」当院に通院・入院するパーキンソン病, 脊髄小脳変性症, 脳血管障害それぞれ5例について検討し, 正常対照群5例と比較した. 各群間に年齢差はない. 「方法」1)動的平衡機能検査(NeuroCom社製EQT)を用い, フォースプレートとしての起立板によって25°/secの角速度で8°足関節を背屈(toes up)させた時に, 前脛骨筋(TA), 大腿四頭筋(Quad. )に出現, 立ち直り反応を反映するとされるLong Latency Response(LLR)と足圧中心の軌跡を各群ごとに測定した. 2)LLRの反応出力の変化をみるために前方水平移動の外乱刺激を大小「予告的」・「非予告的」に与えた時の変化を検討した(Cognitive Paradigm). 3)Push testによるLLRの反応も一部の例で観察した. 「結果」1)パーキンソン病群ではLLRのlatencyに遅れはみられなかったが, その振幅は小さく, 持続時間は長く, 足圧中心の動きと同じ様相を示した(ρ<0.05). この点はPush testにおいても同様であった. 2)脊髄小脳変性症群, 脳血管障害群(患側)ではLLRのlatencyおよび足圧中心の立ち上がりの遅れをみ, 脳血管障害群(患側)LLRの振幅も小さかった. 3)Cognitive Paradigmにて, パーキンソン病群Yahr IVの例, 脳血管障害群で出力制御に障害を認めた.
ISSN:0034-351X