赤血球中の糖代謝に関与する物質の自動分析法ならびに保存血液の品質管理について

目的:血液を保存する場合, その赤血球中では, 糖代謝が進行し, 保存血液の有効性はこの糖代謝と密接な関係をもつ5)6)7). この変化については, すでに我々はたびたび報告してきた1)2)3). 一方, 最近全国の赤十字血液センターには, 献血者の臨床検査サービスを目的とした自動分析機(オリンパスACA601又は201)が設置された. 我々は, この自動分析機を利用して, かんたんに, しかも迅速に, 赤血球中の糖代謝に関与する物質の自動分析法を検討し4), 合せて, この分析方法を生化学的な面から, 保存血液の品質管理に応用することとした. 試料の調製:血液に蒸留水を加えて溶血させ, これ...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 24; no. 3/4; pp. 121 - 124
Main Authors 三富斉忠, 野中登美子, 笹川滋, 徳永栄一, 高折益彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.12.1978
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ISSN0546-1448

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Summary:目的:血液を保存する場合, その赤血球中では, 糖代謝が進行し, 保存血液の有効性はこの糖代謝と密接な関係をもつ5)6)7). この変化については, すでに我々はたびたび報告してきた1)2)3). 一方, 最近全国の赤十字血液センターには, 献血者の臨床検査サービスを目的とした自動分析機(オリンパスACA601又は201)が設置された. 我々は, この自動分析機を利用して, かんたんに, しかも迅速に, 赤血球中の糖代謝に関与する物質の自動分析法を検討し4), 合せて, この分析方法を生化学的な面から, 保存血液の品質管理に応用することとした. 試料の調製:血液に蒸留水を加えて溶血させ, これを加熱処理し除タンパクしたものを試料とした. 測定条件:ピルビン酸, ブドウ糖, 乳酸, ATPおよび2, 3-DPGの測定条件をTablelに示した. 表のピルビン酸の場合は, 0.1M-PB液(R_l ;リン酸緩衝液)0.5mlに, 試料0.1mlを加え, これに, 19分後に2, 4-DNPH液(R2)0.25mlを, 22分後にはNaOH液(R_3 )1.0mlをそれぞれ加え, 24分後に比色定量(520nm)することを示したものである.
ISSN:0546-1448