メトトレキサート大量療法におけるViva-E(TM)システムを用いた血中濃度評価
『緒言』 葉酸代謝拮抗薬であるメトトレキサート(以下, MTXと略す)は, 抗がん剤, 免疫抑制剤, 抗リウマチ薬として幅広く使用されている. 特にMTX大量療法は, 急性白血病, 悪性リンパ腫および骨肉腫等の悪性腫瘍に対して有効な治療である. 一方, 副作用防止やロイコボリン救援療法の必要性を検討する目的で, 血中MTX濃度の測定が必要とされている1,2). 血中MTX濃度が投与後24時間, 48時間, 72時間でそれぞれ10μmol/L, 1.0μmol/L, 0.10μmol/L以上になると, 副作用発現リスクが高まることがよく知られている. さらに, 口内炎予防のためのロイコボリン投与...
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Published in | 医療薬学 Vol. 37; no. 5; pp. 311 - 315 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本医療薬学会
10.05.2011
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ISSN | 1346-342X |
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Summary: | 『緒言』 葉酸代謝拮抗薬であるメトトレキサート(以下, MTXと略す)は, 抗がん剤, 免疫抑制剤, 抗リウマチ薬として幅広く使用されている. 特にMTX大量療法は, 急性白血病, 悪性リンパ腫および骨肉腫等の悪性腫瘍に対して有効な治療である. 一方, 副作用防止やロイコボリン救援療法の必要性を検討する目的で, 血中MTX濃度の測定が必要とされている1,2). 血中MTX濃度が投与後24時間, 48時間, 72時間でそれぞれ10μmol/L, 1.0μmol/L, 0.10μmol/L以上になると, 副作用発現リスクが高まることがよく知られている. さらに, 口内炎予防のためのロイコボリン投与の指標としては, 72時間値よりも低い0.05μmol/Lまでの定量が求められる3). 一方, アボットジャパン株式会社のTDx(R)アナライザー(以下, TDx(R)と略す)が血中MTX濃度測定に用いられている施設は多いものの, 今後TDx(R)用測定試薬の製造が中止される予定である. |
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ISSN: | 1346-342X |