関節リウマチに対するトシリズマブ治療中に発症した肺結核および二次性の器質化肺炎の1例

「要旨:」78歳, 女性. 関節リウマチに対し, トシリズマブによる加療中であった. 咳嗽, 発熱を認め, 胸部CTにて, 右上葉の大葉性肺炎像, 右下葉, 左S4の小葉中心性の気道散布影を認め, 当院紹介となった. 喀痰抗酸菌塗抹陰性にて気管支鏡下に右上葉病変より経気管支肺生検施行, 病理組織学的に器質化肺炎と診断した. 検査後の喀痰抗酸菌塗抹にて陽性確認, 結核菌群PCR陽性判明, 肺結核と診断した. 以上より, 肺結核および二次性の器質化肺炎と診断した. 副腎皮質ステロイド薬未使用下, 抗結核薬のみにて病巣の改善を認めた. 肺結核に続発する二次性の器質化肺炎は非常に稀であり, 若干の文献...

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Published in結核 Vol. 98; no. 5; pp. 145 - 149
Main Authors 伊藤昂哉, 吉田貴之, 網島優, 一戸亜里香, 大橋洋介, 國崎守, 濱田邦夫, 高木芳武, 伊藤昭英
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本結核・非結核性抗酸菌症学会 15.07.2023
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Summary:「要旨:」78歳, 女性. 関節リウマチに対し, トシリズマブによる加療中であった. 咳嗽, 発熱を認め, 胸部CTにて, 右上葉の大葉性肺炎像, 右下葉, 左S4の小葉中心性の気道散布影を認め, 当院紹介となった. 喀痰抗酸菌塗抹陰性にて気管支鏡下に右上葉病変より経気管支肺生検施行, 病理組織学的に器質化肺炎と診断した. 検査後の喀痰抗酸菌塗抹にて陽性確認, 結核菌群PCR陽性判明, 肺結核と診断した. 以上より, 肺結核および二次性の器質化肺炎と診断した. 副腎皮質ステロイド薬未使用下, 抗結核薬のみにて病巣の改善を認めた. 肺結核に続発する二次性の器質化肺炎は非常に稀であり, 若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0022-9776