Bartter症候群に伴う下顎後退症に対して下顎枝矢状分割法を施行した1症例
「緒言」Bartter症候群は, 低カリウム血症, 代謝性アルカローシス, 循環血液量減少, 高血圧を伴わない高レニンアルドステロン血症を特徴とする尿細管機能異常の症候群である. 体液異常の結果として, 多飲, 多尿, 筋力低下, 四肢麻痺, 体重増加不良, 成長障害がみられる1-3). また, Bartter症候群には成長障害に起因すると思われる顎変形症を合併するとの報告があり, 外科的矯正治療の適応症の一つとされている4). 今回われわれは, Bartter症候群に伴う下顎後退症に対して下顎枝矢状分割法を施行した1例を経験したので報告する. 「症例」患者:21歳 女性 初診:2002年7月...
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Published in | 日本顎変形症学会雑誌 Vol. 23; no. 3; pp. 202 - 208 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本顎変形症学会
15.08.2013
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ISSN | 0916-7048 |
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Summary: | 「緒言」Bartter症候群は, 低カリウム血症, 代謝性アルカローシス, 循環血液量減少, 高血圧を伴わない高レニンアルドステロン血症を特徴とする尿細管機能異常の症候群である. 体液異常の結果として, 多飲, 多尿, 筋力低下, 四肢麻痺, 体重増加不良, 成長障害がみられる1-3). また, Bartter症候群には成長障害に起因すると思われる顎変形症を合併するとの報告があり, 外科的矯正治療の適応症の一つとされている4). 今回われわれは, Bartter症候群に伴う下顎後退症に対して下顎枝矢状分割法を施行した1例を経験したので報告する. 「症例」患者:21歳 女性 初診:2002年7月 主訴:歯列不正, 上顎前突感 家族歴:特記事項なし 既往歴:Bartter症候群を3歳時に指摘される. 6歳時より全身倦怠感を生じたときのみに塩化カリウムの内服をしていた. 現病歴:19歳時より歯列不正, 上顎前突感を自覚し, 矯正歯科を受診, その後顎矯正手術依頼のため当科受診した. |
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ISSN: | 0916-7048 |