内・外頚静脈に留意した頚動脈内膜剥離術

われわれは内・外頚静脈に留意した頚動脈内膜剥離術を行ってきたのでその方法について報告する. 美容上の利点から, 頚部の皺を用いた横切開による頚動脈内膜剥離術を行っている. 横切開では, 横の傷を縦の剥離面に変更するために皮弁を作成する必要があり, 皮弁作成に外頚静脈が役立つ. 次に, 頚動脈を露出するにあたって頚動脈三角の前縁を構成する肩甲舌骨筋を露出する剥離では剥離範囲が広くなり過ぎる. 肩甲舌骨筋の代わりに共通顔面静脈を前縁とすると適切な剥離範囲に収められる. この共通顔面静脈を用いた新しい頚動脈三角の概念による頚動脈の露出方法について報告する....

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Published in脳卒中の外科 Vol. 51; no. 1; pp. 6 - 12
Main Authors 和田孝次郎, 豊岡輝繁, 竹内誠, 大塚陽平, 富山新太, 戸村哲, 三島有美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳卒中の外科学会 31.01.2023
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Summary:われわれは内・外頚静脈に留意した頚動脈内膜剥離術を行ってきたのでその方法について報告する. 美容上の利点から, 頚部の皺を用いた横切開による頚動脈内膜剥離術を行っている. 横切開では, 横の傷を縦の剥離面に変更するために皮弁を作成する必要があり, 皮弁作成に外頚静脈が役立つ. 次に, 頚動脈を露出するにあたって頚動脈三角の前縁を構成する肩甲舌骨筋を露出する剥離では剥離範囲が広くなり過ぎる. 肩甲舌骨筋の代わりに共通顔面静脈を前縁とすると適切な剥離範囲に収められる. この共通顔面静脈を用いた新しい頚動脈三角の概念による頚動脈の露出方法について報告する.
ISSN:0914-5508