ローズベンガル誘導体を用いた音響化学治療

【緒言】我々は, 超音波と薬剤の相乗効果で悪性腫瘍を治療する音響化学療法に関する研究を行っている. 本療法用の薬剤としては, 超音波の化学的作用の源であるキャビテーションを誘導することが重要である. 我々は既に, ローズベンガル(RB)等のキサンテン系色素増感剤がこのような性質を有することを見出している. 前回, RBの両親媒性誘導体(図1)を合成し, 本療法用薬剤として欠けていた腫瘍移行性の付与に成功したことを報告した. 今回は, この化学修飾によるキャビテーション誘導効果への影響を検討した. さらに, 担癌マウスを用いて音響化学治療実験を開始した. 【方法】 RB誘導体のキャビテーション誘...

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 22; no. 4; p. 278
Main Authors 杉田奈巳, 川畑健一, 佐々木一昭, 梅村晋一郎, 阪田功
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本レーザー医学会 28.12.2001
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ISSN0288-6200

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Summary:【緒言】我々は, 超音波と薬剤の相乗効果で悪性腫瘍を治療する音響化学療法に関する研究を行っている. 本療法用の薬剤としては, 超音波の化学的作用の源であるキャビテーションを誘導することが重要である. 我々は既に, ローズベンガル(RB)等のキサンテン系色素増感剤がこのような性質を有することを見出している. 前回, RBの両親媒性誘導体(図1)を合成し, 本療法用薬剤として欠けていた腫瘍移行性の付与に成功したことを報告した. 今回は, この化学修飾によるキャビテーション誘導効果への影響を検討した. さらに, 担癌マウスを用いて音響化学治療実験を開始した. 【方法】 RB誘導体のキャビテーション誘導効果は以下の方法で検討した.
ISSN:0288-6200