義歯床歯頸線の残存歯被覆度とプラークの付着状態について

「はじめに」 近年, RPD製作に際し, 術前, 術後のプラークコントロールに多少の注目がなされるようになってきている. RPD装着者の支台歯のう蝕罹患率は他の残存歯より高く, 床歯頸縁からの機械的刺激やプラークの付着, 外傷性咬合などから歯周疾患を誘発しやすいといわれている. 床歯頸縁が歯頸部を被覆あるいは接触していると, 残存歯の歯頸部と床歯頸縁の間隙が狭くなり, 食物残渣の停滞, プラークの付着などが著明になりやすく, 床歯頸縁が歯頸部から離開していると食物の流れがよく, 自浄作用が働きプラークの付着も少なくなりやすいと考えられる. そこでKarlsenとOwallらは床外形を改良するこ...

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Published in神奈川歯学 Vol. 17; no. 2; pp. 239 - 248
Main Authors 清水洋, 山下和子, 青野幸子, 小笠原光彦, 黒川元次郎, 金安英治, 松尾悦郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 神奈川歯科大学学会 30.09.1982
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ISSN0454-8302

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Summary:「はじめに」 近年, RPD製作に際し, 術前, 術後のプラークコントロールに多少の注目がなされるようになってきている. RPD装着者の支台歯のう蝕罹患率は他の残存歯より高く, 床歯頸縁からの機械的刺激やプラークの付着, 外傷性咬合などから歯周疾患を誘発しやすいといわれている. 床歯頸縁が歯頸部を被覆あるいは接触していると, 残存歯の歯頸部と床歯頸縁の間隙が狭くなり, 食物残渣の停滞, プラークの付着などが著明になりやすく, 床歯頸縁が歯頸部から離開していると食物の流れがよく, 自浄作用が働きプラークの付着も少なくなりやすいと考えられる. そこでKarlsenとOwallらは床外形を改良することによって, 清掃効果を円滑にし, プラークの付着を少なくし自浄作用を期待した設計を試みている. 今回我々は補綴臨床において床歯頸縁の設計差と残存歯およびデンチャーに付着するプラークとの関連について実験をおこない, 多少の知見を得たので報告する.
ISSN:0454-8302