良導絡測定部位と皮膚温との相関
【はじめに】 人の体温は, 自律性体温調節と行動性体温調節の産熱と放熱のバランスによって37度付近に一定に保たれています. 産熱が多いと体温は上がり放熱が多いと体温は下がります. 産熱には, 基礎代謝特異力学的作用運動などがあり放熱には基礎放熱皮膚血流発汗などあります. 人体からの放熱には, 1. 乾性放熱と2. 湿性放熱の二つがあります. 1. 乾性放熱には, (1)伝導(2)対流(3)放熱(4)放射があります. 伝導とは人と接触する物質を伝わっての熱移動, 対流とは人体の周囲の空気の動きによる熱移動, 放射とは放射熱エネルギーとして放出される熱移動で赤外線は熱線とも言われ壁が冷えているとき...
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Published in | 日本良導絡自律神経学会雑誌 Vol. 49; no. 4; p. 32 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本良導絡自律神経学会
15.09.2004
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ISSN | 0913-0977 |
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Summary: | 【はじめに】 人の体温は, 自律性体温調節と行動性体温調節の産熱と放熱のバランスによって37度付近に一定に保たれています. 産熱が多いと体温は上がり放熱が多いと体温は下がります. 産熱には, 基礎代謝特異力学的作用運動などがあり放熱には基礎放熱皮膚血流発汗などあります. 人体からの放熱には, 1. 乾性放熱と2. 湿性放熱の二つがあります. 1. 乾性放熱には, (1)伝導(2)対流(3)放熱(4)放射があります. 伝導とは人と接触する物質を伝わっての熱移動, 対流とは人体の周囲の空気の動きによる熱移動, 放射とは放射熱エネルギーとして放出される熱移動で赤外線は熱線とも言われ壁が冷えているときなどは, 熱をうばわれます. 2. 湿性の放熱には, (1)不感蒸散(2)発汗があります. 気体として不感蒸散がありこれには, 透湿と吸湿があり発汗には, 熱いときに出る汗と精神発汗があります. 良導絡測定は, 自律神経の影響を大きく受け中でも発汗の影響に左右されます. 特に精神性発汗と良導絡測定部位の温度の相関について調べてみた. 今回は, 良導絡測定部位の皮膚温度がどういう結果になるか報告したい. 【対象と方法】 室温20度でNEUROMETER-MD2(良導絡研究所)と瞬間皮膚温時計ST-717(スカラ株式会社)を用い良導絡測定部の皮膚温を調べ良導絡測定を行った. なるべく発汗のない人を対象とした. 【結果】 現在データー集積中である. 【考察】 現在のところ全体的に手のH系と足のF系では, 足のF系が手のH系より低く, 手の系ではH1(肺)H2(血管)H3(心)が高くH4(小腸)H5(リンパ)H6(大腸)が少し低く出ます. 足の系では, F1(脾)とF4(膀胱)が少し低く出ています. 手の系Hは, 自然発汗と関係が深くH4(小腸)H5(リンパ)H6(大腸)が高く, 足の系のF1(脾)とF4(膀胱)が低いのは, 精神性発汗の影響があるものと思われる. 【結語】 今後は良導絡値との相関, 発汗とH4(小腸)H5(リンパ)H6(大腸), 精神性発汗とF1(脾)F4(膀胱)の関係を考慮して心因的要因による手足の冷えなどについて調べていきたいと思っている. |
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ISSN: | 0913-0977 |