下肢静脈瘤手術後の圧迫療法継続の要否について - Venous Filling Index (VFI) の体型別検討をもとに

要約: 【背景】下肢静脈瘤術後には通常, 弾性ストッキング等による圧迫療法が一定期間行われる. そこで今回, 術後VFI (venous filling index)を体型別に検討し, 圧迫療法継続の必要性を考察した. 【対象と結果】2013年11月~2016年3月にストリッピング手術を行った一次性下肢静脈瘤871例1188肢を対象とした. 術後一カ月のVFI(mL/sec.)は, BMI<18.5群: 0.86±0.55, 18.5<BMI<25群: 1.21±0.62, 25<BMI群: 1.68±0.76で各群間に有意差がみられた. 平均+2SDを超える症例が54...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in静脈学 Vol. 29; no. 1; pp. 45 - 48
Main Author 藤澤康聡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本静脈学会 14.05.2018
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:要約: 【背景】下肢静脈瘤術後には通常, 弾性ストッキング等による圧迫療法が一定期間行われる. そこで今回, 術後VFI (venous filling index)を体型別に検討し, 圧迫療法継続の必要性を考察した. 【対象と結果】2013年11月~2016年3月にストリッピング手術を行った一次性下肢静脈瘤871例1188肢を対象とした. 術後一カ月のVFI(mL/sec.)は, BMI<18.5群: 0.86±0.55, 18.5<BMI<25群: 1.21±0.62, 25<BMI群: 1.68±0.76で各群間に有意差がみられた. 平均+2SDを超える症例が54肢あり, その内24肢(44.4%)に静脈逆流が存在した(深部静脈逆流6肢, 不全穿通枝6肢, 残存表在静脈の逆流12肢). 【結語】術後VFIが体型別の平均値を大きく上回る場合, 静脈不全残存による鬱血の遷延が懸念されるため, 長期間の術後圧迫療法継続を検討するのが望ましい.
ISSN:0915-7395