漏斗胸手術時(Nuss法)における実物大CT画像の利用
目的:漏斗胸手術時(Nuss法)のべクタスバーの形状の決定は微妙な調整を要し, 時に何度も挿入, 曲げ直しを繰り返す必要がある. 実物大の模型にてあらかじめ形状を決定しておけば, 挿入出を繰り返すことなく手術を終了することが可能ではないかと考えた. 方法:CT画像をデジタルスチルカメラによりパソコン取り込みをある程度拡大した状態で普通紙にプリントアウトした. このプリントアウトにあるCTのスケールから拡大すべき縮尺を計算し, コピー機の拡大印刷機能を利用して原寸大CTを作成した. これに滅菌処理を行い実際の手術に使用した. 結果:通常の胸腔鏡ガイド下にイントロデューサーを用いて胸骨下を剥離し,...
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Published in | Journal of Nippon Medical School Vol. 70; no. 6; p. 590 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本医科大学医学会
15.12.2003
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ISSN | 1345-4676 |
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Summary: | 目的:漏斗胸手術時(Nuss法)のべクタスバーの形状の決定は微妙な調整を要し, 時に何度も挿入, 曲げ直しを繰り返す必要がある. 実物大の模型にてあらかじめ形状を決定しておけば, 挿入出を繰り返すことなく手術を終了することが可能ではないかと考えた. 方法:CT画像をデジタルスチルカメラによりパソコン取り込みをある程度拡大した状態で普通紙にプリントアウトした. このプリントアウトにあるCTのスケールから拡大すべき縮尺を計算し, コピー機の拡大印刷機能を利用して原寸大CTを作成した. これに滅菌処理を行い実際の手術に使用した. 結果:通常の胸腔鏡ガイド下にイントロデューサーを用いて胸骨下を剥離し, トンネルを作成すると同時に等身大CT画像に合わせてペクタスバーを加工した. 肋骨の形状に合わせて加工されたべクタスバーは挿入, 回転すると極めて安定した状態で肋骨上に位置し, 曲げの修正を要しなかった. 結論:Nuss法は従来法に比較して非常に侵襲の少ない優れた方法であることは論を待たないが, 報告の中には合併症も散見されるようになった. 本工夫は術中のペクタスバーの挿入出を最小限にしょうとするものであり, 手術時間のさらなる短縮, 挿入物の感染の可能性を低下させることに意義のあるものと考える. |
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ISSN: | 1345-4676 |