Strain rate imaging法による肥大心筋収縮スタイルの検討
目的:strain rate imaging(SRI)法を検査した心筋肥大症例では心筋の部位によりstrain曲線が逆相を示すことがある. 今回われわれはその意義を検討した. 対象および方法:対象は健常者(N群)13例, 左室肥大(LVH群)23例, 肥大型心筋症(HCM群)33例. GE社製Vivid Fiveを用いて心尖部四腔断面, 二腔断面のSRIを記録した. 専用のソフトを用いてstrainのprofileを得て正常と逆の曲線が得られる部位を求めた. 前壁, 側壁, 下壁を心基部, 心尖部側に分けてそれぞれの断面でstrain profileを記録した部位で%短縮率(%FS)を求めた....
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Published in | Journal of Nippon Medical School Vol. 70; no. 6; p. 596 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本医科大学医学会
15.12.2003
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ISSN | 1345-4676 |
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Summary: | 目的:strain rate imaging(SRI)法を検査した心筋肥大症例では心筋の部位によりstrain曲線が逆相を示すことがある. 今回われわれはその意義を検討した. 対象および方法:対象は健常者(N群)13例, 左室肥大(LVH群)23例, 肥大型心筋症(HCM群)33例. GE社製Vivid Fiveを用いて心尖部四腔断面, 二腔断面のSRIを記録した. 専用のソフトを用いてstrainのprofileを得て正常と逆の曲線が得られる部位を求めた. 前壁, 側壁, 下壁を心基部, 心尖部側に分けてそれぞれの断面でstrain profileを記録した部位で%短縮率(%FS)を求めた. 結果:N群, LVH群, HCM群の年齢, 左室駆出率, 心基部, 心尖部側の%FSおよび両部位の%FSの比に有意差なく, 左室最大壁厚はそれぞれ9±1. 12±2. 17±3mm(p<0. 01). strain曲線が逆相を示したものはN群0例, LVH群11例(48%), HCM群31例(94%). 逆相を示した部位はLVH群では前側壁15/17(88%), 下壁2/17(12%), HCM群では前側壁49/62(79%), 下壁13/62(21%)であった. 逆相を示した例と示さない例とではそれぞれ心基部%FS38±4vs28±7%(p<0. 01), 心尖部側%FS52±10 40±12%(p<0. 05). 結論:心筋肥大症例でSRI法によるstrain曲線が逆相を示す機序として, 長軸方向より短軸方向の変形の度合いが強い場合によることが考えられ, strain曲線は慎重に評価する必要がある. |
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ISSN: | 1345-4676 |