災害救護薬剤師のための効率的な情報共有テンプレートの構築

「要旨」 【目的】救護活動時に薬剤に特化した情報の把握が難しい場合がある. 本研究は, 災害救護派遣薬剤師が後続の派遣薬剤師に対して効率的に情報共有するためのテンプレートを構築することを目的とした. 【方法】能登半島地震における薬剤師救護活動を対象に, 派遣薬剤師と後方支援薬剤師が共有した情報を調査し, またアンケートを行い, 災害時に必要な情報項目を特定した. 【結果】派遣薬剤師が必要とした情報は「薬剤に関する運用」, 「1日の流れ」, 「派遣生活に関する情報」であった. 情報報告に関して, 多くの派遣薬剤師が負担を感じていた. 【考察】テンプレートを使用することで, 必要な情報を漏れなく提...

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Published inJapanese Journal of Disaster Medicine Vol. 29; no. 3; pp. 237 - 245
Main Authors 谷大輔, 安富暉浩, 岡林瑞希, 坂本千明, 辻井佳代, 小林政彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本災害医学会 31.12.2024
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Summary:「要旨」 【目的】救護活動時に薬剤に特化した情報の把握が難しい場合がある. 本研究は, 災害救護派遣薬剤師が後続の派遣薬剤師に対して効率的に情報共有するためのテンプレートを構築することを目的とした. 【方法】能登半島地震における薬剤師救護活動を対象に, 派遣薬剤師と後方支援薬剤師が共有した情報を調査し, またアンケートを行い, 災害時に必要な情報項目を特定した. 【結果】派遣薬剤師が必要とした情報は「薬剤に関する運用」, 「1日の流れ」, 「派遣生活に関する情報」であった. 情報報告に関して, 多くの派遣薬剤師が負担を感じていた. 【考察】テンプレートを使用することで, 必要な情報を漏れなく提供でき報告負担の軽減が期待される. 災害時に迅速に情報共有することが可能である. 【結語】本研究で提案した情報共有テンプレートは, ニーズを反映していることから, 実用的かつ効率化に繋がり, 薬剤に特化した情報を円滑に共有するための手段となり得る.
ISSN:2189-4035