トルエンによる大脳皮質内側前頭前野における細胞外ノルアドレナリン・ドーパミン量の変化

シンナーと呼称されるトルエンをはじめとする有機溶剤は, 乱用によって幻覚や依存などを生じ, 時に大きな社会問題を引き起こす. しかし, これら有機溶剤の作用機序に関する研究は少ない. 今回, シンナーの主成分であるトルエンの吸入がラットの脳内ノルアドレナリン(NA), ドーパミン(DA)神経系に及ぼす作用を検討した. 実験には, Wistar系雄性ラットを用い, 無麻酔, 無拘束状態における大脳皮質内側前頭前野(mPFC)の細胞外NAおよびDA量のトルエン吸入による変動をHPLC-ECDで測定した. 7,000ppmのトルエン吸入により有意に増加したmPFCにおける細胞外NA, DA量は, C...

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Published in九州歯科学会雑誌 Vol. 58; no. 4; p. 135
Main Authors 東泉, 河原博, 大住伴子, 古賀裕紀子, 黒木賀代子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州歯科学会 25.08.2004
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ISSN0368-6833

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Summary:シンナーと呼称されるトルエンをはじめとする有機溶剤は, 乱用によって幻覚や依存などを生じ, 時に大きな社会問題を引き起こす. しかし, これら有機溶剤の作用機序に関する研究は少ない. 今回, シンナーの主成分であるトルエンの吸入がラットの脳内ノルアドレナリン(NA), ドーパミン(DA)神経系に及ぼす作用を検討した. 実験には, Wistar系雄性ラットを用い, 無麻酔, 無拘束状態における大脳皮質内側前頭前野(mPFC)の細胞外NAおよびDA量のトルエン吸入による変動をHPLC-ECDで測定した. 7,000ppmのトルエン吸入により有意に増加したmPFCにおける細胞外NA, DA量は, Ca依存性であり, Naイオンチャネル阻害薬であるテトロドトキシン10-6Mにより抑制された.
ISSN:0368-6833