関節内転位を伴う踵骨骨折に対するplateを用いた観血的治療の経験

「I. はじめに」踵骨骨折は日常診察において, 足部骨折のなかでは最も多く遭遇する骨折である. 踵骨の形状は複雑で骨折形態も複雑であり, 治療法としては徒手整復もしくは, Westhues法に代表される経皮ピンニングが選択されることが多い. しかしながら関節内転位を伴っている場合, これらの方法では整復困難であることが少なくない. 我々はその様な骨折に対し, 骨折部を展開しplateにて固定を行い良好な結果をえているので, その適応, 手術成績について報告する. II. 症例の概要 症例は1992年より1998年までに手術を行った17例である. 性別は男性15例, 女性2例, 受傷時年齢は24...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 49; no. 1; pp. 103 - 106
Main Authors 生田拓也, 湯朝友基, 東努
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2000
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Summary:「I. はじめに」踵骨骨折は日常診察において, 足部骨折のなかでは最も多く遭遇する骨折である. 踵骨の形状は複雑で骨折形態も複雑であり, 治療法としては徒手整復もしくは, Westhues法に代表される経皮ピンニングが選択されることが多い. しかしながら関節内転位を伴っている場合, これらの方法では整復困難であることが少なくない. 我々はその様な骨折に対し, 骨折部を展開しplateにて固定を行い良好な結果をえているので, その適応, 手術成績について報告する. II. 症例の概要 症例は1992年より1998年までに手術を行った17例である. 性別は男性15例, 女性2例, 受傷時年齢は24~69歳, 平均44.4歳であった. 受傷原因は全例転落であった. 骨折型はEssex-Lopresti1)の分類(以下E-L分類と略)に従うとII-C:3例, II-E:8例, II-F:6例であった. 手術方法は全例, 皮切をアキレス腱内側よりL字状に踵骨外側へ向けて加え, 外側より展開し整複, 骨移植(1例を除きHAを移植)を行い, 頚椎用plateにて内固定を行った. 術後は踵骨用免荷装具にて歩行練習及び可動域訓練を行い, 術後6~8週で部分荷重を開始しその後2週間程度で全荷重とした. ちなみに, 同時期にWesthues法(経皮ピンニング)にて手術治療を行った症例は44例であった.
ISSN:0037-1033