X線マイクロアナライザー (XMA) の生物・医学への応用
「はじめに」XMAの生物・医学への応用は1960年代の後半にはじまり, そのほとんどの報告が試料作製法に集中し現在に至っている. 丁度電子顕微鏡が生物・医学に応用された時と同様のパターンを踏んでいる. そこで, XMAの生物試料への応用についてまとめてみることにする. XMAの生物・医学への応用の糸口は, 一口で言うとするなら, きわめて細く絞った電子線束(electron beam)を試料表面に照射し, その部分から放射される特性X線の波長と強度をX線分光器で測定し, その微小部に含まれている元素を定性または定量することが出来る点にあろう. そして, その装置には顕微鏡と同様な機能が組み込ま...
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Published in | 神奈川歯学 Vol. 13; no. 2; pp. 96 - 105 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
神奈川歯科大学学会
30.09.1978
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ISSN | 0454-8302 |
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Summary: | 「はじめに」XMAの生物・医学への応用は1960年代の後半にはじまり, そのほとんどの報告が試料作製法に集中し現在に至っている. 丁度電子顕微鏡が生物・医学に応用された時と同様のパターンを踏んでいる. そこで, XMAの生物試料への応用についてまとめてみることにする. XMAの生物・医学への応用の糸口は, 一口で言うとするなら, きわめて細く絞った電子線束(electron beam)を試料表面に照射し, その部分から放射される特性X線の波長と強度をX線分光器で測定し, その微小部に含まれている元素を定性または定量することが出来る点にあろう. そして, その装置には顕微鏡と同様な機能が組み込まれているので, 形態と対比させた分析を可能とし, また試料を化学的な分析のような溶解などの必要がなく, 非破壊的な分析をすることが出来る点に大きな特徴がある. XMAの歴史は比較的古く, その原理については, 1913年Moseleyが発表している. |
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ISSN: | 0454-8302 |